安倍晋三元首相銃撃事件で殺人や銃刀法違反などの罪に問われている山上徹也被告(45)の裁判員裁判の初公判が、28日午後、奈良地裁で始まった。山上被告は2022年7月、奈良市で選挙応援中の安倍氏を手製銃で撃ったとして現行犯逮捕され、23年3月までに起訴された。判決は来年1月21日に言い渡される予定だ。 ■弁護側、生い立ちから説明 検察側に続いて、弁護側が、公判で証明しようとする内容のアウトラインを示す冒頭陳述を始めた。 弁護側はまず、「(山上被告が)なぜ犯行に及んでしまったのか」と話した上で、山上被告の生い立ちを振り返った。 父母と兄、妹の5人家族だったこと。山上被告が4歳の時に、父親が自死したこと。兄が大病を患い、片目を失明したこと。母親は深い苦しみの中で生きていたこと。 弁護側は、こうした経緯を説明した上で、「(旧)統一教会の信者が山上家を訪ねた。1991年、母親は心の救いを求めて入信した」と述べた。