2023年3月、新宿歌舞伎町の「トー横」に通っていた女子高生のあきこさん(当時16)が、横浜市内で自ら命を絶った。 「彼氏と一緒でした。心中なのですが、(警察の)扱いとしてはお互いがお互いを殺した“殺人事件”の被害者になっています」 あきこさんの父親の浩三さん(42)は、駆け付けた病院での変わり果てたあきこさんとの対面をそう振り返る。 娘がどうして死を選んだのか……。理由を知るためにトー横に通い、独自に調査を始めた。多くの若者たちと接する中であきこさんを取り巻く人間関係を知り、自殺に至るプロセスが明らかになっていった。浩三さんの話を聞いた。 浩三さんは会社員で、妻と3姉妹の5人暮らしだった。あきこさんは長女。生まれた頃、一家は横浜に住んでいて、歌舞伎町とは全く縁のない人生を送っていた。 「幼い頃はいつもニコニコして、笑顔が絶えない子でした」 浩三さんは、亡くなったあきこさんについてそう振り返る。