【サンパウロ時事】ブラジル南東部リオデジャネイロ州治安当局は29日、リオ市内のファベーラ(貧民街)で28日に起きた麻薬密売組織との銃撃戦による死亡者が119人に達したと発表した。 さらに多くの死者が出ているとの情報もある。地元メディアによると、ブラジルでの警察による治安維持の作戦に伴う死者数としては過去最悪で、州を批判する声が上がった。 州警察は28日、治安要員2500人を投入し、貧民街で勢力を拡大するリオ最大の犯罪組織「コマンド・ベルメーリョ(CV)」の摘発を進めた。組織のメンバーを特定の場所に追い込み、待ち伏せた部隊が捕まえるという計画だったが、CV側との銃撃戦に発展した。 州によると、死者のうち4人は警官で、残りはCV側。逮捕者は113人に上り、1トンの薬物や多数の銃を押収した。カストロ州知事は、1年がかりの捜査と2カ月間にわたる計画策定に基づく「州の歴史で最大の治安作戦」が実り、「戦いに勝利した」と強調した。