医師免許ないのにがん治療容疑、66歳男逮捕 169人に医療行為か

医師免許を持っていないのにがん治療などの医療行為をしたとして、大阪府警は30日、会社役員の原田伸一容疑者(66)=大阪市大正区北恩加島1丁目=を医師法違反(無免許)の疑いで逮捕し、発表した。 原田容疑者は「医学部を卒業し、医師免許を持っている」と容疑を否認しているという。 国際捜査課によると、原田容疑者は昨年9月~今年4月、医師免許を持っていないのに、大阪市北区の「北新地さくらクリニック」で、20~90代の計169人に対し、計418回の問診や薬の処方などの医療行為をした疑いがある。 原田容疑者から指示を受けた看護師が患者に対し、がん治療などの目的でBCGワクチンの注射をしていたという。健康被害は確認されていないという。 原田容疑者は昨年9月、同クリニックの責任者にあたる「管理医」に就任。クリニック側との面接の際には「京都大学医学部卒」「京都大学医学部付属病院で勤務経験がある」などと偽っていた。 医師免許については「引っ越しの時に紛失した。再発行を依頼している」などと説明したという。 クリニックの経営法人が今年4月、再度医師免許の提出を求めると、原田容疑者は「研究に専念したい」として退職したという。 府警が別の在留カードの偽造事件の捜査をしていたところ、原田容疑者名義の偽造された医師免許の画像が見つかり、事件が発覚したという。(宮坂知樹)

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