【10月31日 KOREA WAVE】韓国の人気タレントで精神科専門医のヤン・ジェウン氏が運営していた病院で、入院患者が「強制拘束」措置を受けた後に死亡した事件をめぐり、ヤン氏を含む医療関係者12人が検察に送致された。患者が出血し苦しんでいたにもかかわらず、手足を縛られたまま放置されたとの遺族の主張が捜査に反映された。 警察によると、京畿南部警察庁刑事機動隊は医療法違反などの疑いでヤン氏と医療スタッフ計12人を検察に送致した。 ヤン氏の病院では2024年5月27日、ダイエット薬中毒の治療目的で入院していた30代女性が、適切な医療措置を受けられないまま死亡した疑いが持たれている。 女性は入院から17日後に死亡。遺族は「不当な隔離と身体拘束を受けたうえ、病院側が症状の悪化を放置した」と主張している。主治医は業務上過失致死の疑いで逮捕・送検された。 警察は今年4月、ヤン氏の病院を家宅捜索し、医療紛争調整委員会の鑑定結果などをもとに捜査を進めてきた。事件当時、女性は午前3時半ごろ、京畿道富川(プチョン)市内にある同病院の隔離病室で死亡。死亡直前まで激しい腹痛を訴えていたが、逆に手足と胸部を縛る処置が施されていたという。 国立科学捜査研究院の解剖結果では、死因は「仮性腸閉塞」と判明。腸の運動が止まり、内容物が滞留して激しい痛みや嘔吐、便秘を引き起こす疾患だ。 遺族は「病院が適切な治療をせず、患者を放置した」として、業務上過失致死および遺棄致死の疑いで医療スタッフ6人を告訴。また国家人権委員会も今年3月、診療記録の虚偽作成指示および黙認の疑いでヤン氏ら5人の捜査を大検察庁に要請していた。この件に対し数万人規模の「厳罰を求める署名運動」も展開された。 (c)KOREA WAVE/AFPBB News