米憲兵隊、那覇の繁華街を単独パトロール 相次ぐ性暴力事件受け

在沖縄米軍の憲兵隊は1日未明、那覇市の繁華街をパトロールし、内規に違反して飲酒している米兵がいないか見て回った。米軍が基地から離れた繁華街をパトロールするのは異例。米兵による性的暴行事件の再発防止策の一環だが、米軍による警察権行使の地理的範囲が広がる恐れもある。 沖縄県内で米兵による性的暴行事件が相次いだことを受け、在日米軍司令部は米兵の行動を規制する内規「リバティー制度」を強化。午前1~5時の基地外での飲酒や酒類提供店への入店などを禁止している。 この日のパトロールは午前1時ごろに始まった。海兵隊や空軍の憲兵ら50人ほどが複数のグループに分かれ、制服姿で、クラブやキャバクラが並ぶ那覇市の松山地区や国際通りを巡回した。街はハロウィーンの仮装をした若者らでにぎわったが、米軍関係者はほとんど見かけなかった。 米軍嘉手納基地(嘉手納町など)のゲートに近い沖縄市の繁華街では今年4月から米憲兵隊と県警、市、地元自治会などが合同パトロールを始め、これまで6回実施した。一方、週末の夜には那覇市の繁華街まで出て飲酒する米兵もおり、米憲兵隊は今回初めて、那覇市でのパトロールも単独で実施。知念覚市長は巡回に理解を示した上で、市民や観光客に不安を与えないよう配慮を求めていた。 県警は「基地外の治安責任は県警が持つ」との立場だが、沖縄市でのパトロールでは憲兵が米兵の身柄を拘束したり、軍法違反の疑いで逮捕したりする事例も相次いでいる。憲兵が基地外で警察権を行使する事態が常態化しないか懸念する声もあり、玉城デニー知事は那覇市でのパトロールの必要性について十分な説明をするよう米軍側に求めている。【比嘉洋】

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