【独自】桜川傷害容疑教諭 「感情のままやった」 生徒意識もうろう 茨城

茨城県桜川市の義務教育学校で剣道部の練習中に生徒に重傷を負わせたとして傷害容疑で逮捕された教諭の男(37)が事件後、周囲に対し「感情のままにやってしまった」と述べ、謝罪していたことが4日、学校関係者への取材で分かった。被害生徒は稽古後、意識がもうろうとした状態だったといい、県警は動機や詳しい経緯の解明を進めている。 教諭の男は2023年10月19日、顧問を務めていた剣道部の練習中、当時中学1年だった男子生徒を突き飛ばすなどして脳脊髄液漏出症の重傷を負わせたとされる。当時は男子生徒と一対一の「掛かり稽古」を行っていた。 複数の学校関係者によると、被害生徒がけがをした後に臨時の集会が開かれ、当時の校長らが事情を説明。学校側は責任を認め、教諭の男も「感情のままにやってしまった。申し訳ない」と謝罪した。 事件当日、教諭の男は練習開始前に着替え中の部員を「何しゃべってんだ、早くしろ」などと叱責(しっせき)。その後、被害生徒との掛かり稽古は数十分に及び、他の部員の休憩中も続いた。教諭の男は倒れた生徒に「立てよ」「もっと声出せよ」などと怒鳴り、泣いている生徒を心配した周囲が止めに入るほどの激しさだったという。 稽古終了後、被害生徒は会話もおぼつかず、目がうつろな状態で体が震えていたといい、2人の稽古を見て泣き出す部員もいた。被害生徒は剣道初心者で地元の道場に通っていたが、半年後に退部した。教諭の男は事件直後に剣道部の指導から外れた。 市教育委員会は取材に対し、事件当日は1年生がホームルームなどの影響で10分ほど練習に遅れ、教諭の男が部員らを叱責したと説明。その後、被害生徒が稽古をつけてほしいと頼んだため一対一の稽古を行ったとしている。 県警の調べに対し、教諭の男は「指導の一環だった」「故意に突き飛ばすようなことはしていない」などと容疑を一部否認。捜査関係者によると、有段者の教諭の男と被害生徒との間には経験や体格に大きな差があり、指導の域を超えた暴行だったとみて調べている。

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