トクリュウがe-Taxを使って全国の税務署にうその所得税の申告書を提出し、還付金をだまし取った詐欺事件。さんさんテレビは、関係者からこの事件の犯罪マニュアルや実行犯の名簿などを独自に入手。11月5日詐欺の疑いで逮捕された名簿記載の高知市に住む自衛隊・非常勤職員の岡村泰彦容疑者を直撃しました。 岡村泰彦 容疑者: 「金がなかった。パチンコもするしネットビジネスで騙されて借金ができて債務整理中だった。これやったらできるかなと思った」 事件に関わるきっかけは2024年9月、男のスマホに届いた副業案内のメールでした。 メール: 「今ならキャンペーンで5万円のキャッシュバック。お仕事ご案内の公式ラインになります」 岡村容疑者はジョイントライフという会社を名乗る担当者と連絡をとります。すると、担当者から副業に必要と言われ、複数の銀行でインターネット口座を開設。口座番号や暗証番号などをLINEで送信しました。これは、いわゆる「口座のまた貸し」違法行為です。 岡村容疑者: 「口座貸しは向こうも悪い仕事だと分かっているが、こっちはお金を払わない使わないと思って口座を貸して渡してあげて何かあったらいいかなと思って。口座情報をいっぱい送ってどれがどれか分からない」 すると、今度は税務署に行くよう指示が。岡村容疑者は、所得税の確定申告に必要なe-TaxのIDとパスワードを取得し、運転免許証の写真とともに担当者に送信しました。すると、高知税務署から「国税還付金振込通知書」が届きました。ネットバンクを確認すると1月31日に高知税務署から94万1220円が振り込まれていたのです。これが、後に逮捕容疑となるのです。 岡村容疑者: 「90万円は何の金か分からない。税務署から」 不審に思った岡村容疑者はすぐに担当者に連絡をとります。 岡村容疑者: 「引き出さんとってと言われて。入り用がある払わなきゃいけないお金と言われてぼくも引き出したら90数万円をとれる。それをしたらいかんなと思って」 岡村容疑者が口座の金をそのままにしておくと2日後、知らない別の口座に94万円が送金されていました。岡村容疑者の口座は知らぬ間にトクリュウに乗っ取られていたのです。 岡村容疑者: 「口座番号を教えていたので向こうが勝手に引き出した。ぼくが引き出したのはこれ」 岡村容疑者が残った3千円をATMから引き出した後、副業の報酬5万円を求めるメッセージを送信。しかし、担当者は2025年3月の返信を最後に、連絡がとれないようになりました。5月に取材したとき、岡村容疑者は自分がe-Tax詐欺事件に関わったことを知りませんでした。事件の概要を説明し詐欺の疑いがあることを伝えるとー。 岡村容疑者: 「税務署に行った時間が無駄になっただけ。3千円もらって得になったそれでえーかなみたいな」 Qその代償としてトクリュウに個人情報を渡したリスクについて 「うーん、住所は教えているが…引っ越す予定もしている」 この取材から5カ月後。岡村容疑者は5日、逮捕されました。