ドイツの住宅街で、ナチスの象徴であるハーケンクロイツ(鉤十字)の落書きが大量に発見され、現地警察が捜査に乗り出した。 6日(現地時間)、dpa通信などによると、ヘッセン州警察は5日午後、ハーナウ市内で赤い液体による落書きが約50台の車両で確認され、郵便受けや建物の壁面にも同様の落書きが見つかったと発表した。 落書きの半数以上はハーケンクロイツの形をしており、分析の結果、落書きに使われた液体は人間の血液であることが判明した。警察は、使用された血の量は命を落とすほどではないとみられるとし、違憲組織の標章使用および財物損壊の容疑で捜査を開始したと述べた。 政界では、ナチスによるユダヤ人迫害を省みる「クリスタルナハト(Kristallnacht=水晶の夜)」記念日(11月9日)を前に、再び憎悪犯罪が発生したとし、犯人の早期逮捕を求める声が上がっている。 ドイツ南西部フランクフルト近郊の都市ハーナウでは、2020年2月、ドイツ人極右主義者が市内のシーシャ(水たばこ)カフェなどで銃を乱射し、9人が死亡する事件が起きたこともある。 連邦議会のオミッド・ノウリプール(Omid Nouripour)副議長は、「ハーナウの中心部を狙い、5年前の右翼テロ攻撃の傷跡を再びひっかくような事件だ」とし「速やかに真相を究明すべき」と強調した。