「関係ないとは言えない」立花孝志氏を名誉毀損疑いで逮捕、“3名の情報提供者”の責任問う声

兵庫県警は11月9日、今年1月に亡くなった元兵庫県議の竹内英明氏に関する虚偽情報を拡散し名誉を毀損した疑いで政治団体「NHKから国民を守る党」党首の立花孝志容疑者(58)を逮捕した。 斎藤元彦兵庫県知事(47)の内部告発書問題について、県議会調査特別委員会(百条委員会)のメンバーを務めていた竹内氏。立花氏は昨年12月、立候補していた大阪府泉大津市長選の街頭演説で「竹内議員はめっちゃやばいね。警察の取り調べを受けているのはたぶん間違いない」などと発言したことや、竹内氏の死後の1月19~20日にも「竹内元議員は明日逮捕される予定だったそうです」などと虚偽情報を発信し、竹内氏の名誉を傷つけた疑いがもたれている。県警幹部は1月20日、県議会の答弁で「事実無根」と異例の全面否定をし、6月には竹内氏の妻が同氏を刑事告訴していた。 10日に送検された立花氏は昨年10月、内部告発文書問題で失職して出直し選挙で再選した斎藤知事の応援を掲げた“2馬力選挙”を公言して出馬した。 「自身への投票は呼びかけず斎藤知事を応援するという“2馬力選挙”で立花氏が訴えたのは、内部告発をした後に亡くなった元県民局長Aさんと、斎藤知事の疑惑を追及する急先鋒であった竹内氏ら数人の県議を非難する内容がほとんどでした。 『斎藤知事はハメられた』と主張するために、Aさんの告発の信頼性を貶めるような誹謗中傷のほか、竹内氏らを『黒幕だ』などと発言。こうした主張がSNSで拡散されたことなどが、当初劣勢だった斎藤知事の逆転勝利を後押ししたとみられています」(地方紙政治部記者) 斎藤知事が再選を果たすいっぽう、立花氏らに“黒幕”と名指しされた県議らは、犬笛の被害に直面した。 「自宅前で『出てこい』などと演説をされた百条委員会の奥谷謙一委員長(40)は、《クズ》《嘘つき》などとSNSでの中傷が殺到し、危険を感じて母親を避難させたと明かしています。 竹内氏にも、選挙期間中にSNSでの中傷が殺到しました。投開票日の翌日には“一身上の都合”を理由に辞職しましたが、実際は誹謗中傷に悩んでいて、家族を守るためだったそうです。親しい知人によると、亡くなる数日前には『誰が家に来るかわからない。怖い』などと憔悴した様子だったそうです」(前出・政治部記者) 竹内氏を追い詰めた立花氏の主張には、3人の“情報提供者”の存在が――。 「まず、当時百条委メンバーだった元維新の増山誠県議です。昨年10月31日、隠れて録音した非公開の百条委の音声データや、Aさんの真偽不明の私的情報が書かれたメモを立花氏に提供しました。 翌日の11月1日には、同じく当時百条委副委員長を務めていた維新の岸口実県議が立花氏と神戸市内のホテルで面会。竹内県議らが斎藤氏をハメた『黒幕だ』などと書いた怪文書を渡しています。さらに、同じく維新の白井孝明県議もAさんの私的情報を伝えようと立花氏に電話で情報提供を持ちかけました」(前出・政治部記者) 立花氏は、増山氏と岸口氏から受け取った怪文書などを根拠にAさんや竹内氏を非難。立花氏に情報を提供していたことが明るみになった今年2月、兵庫維新は上記3人を除名処分や離党勧告処分にした。3人は維新からは離脱したものの、3月に「躍動の会」を結成し県議は続けている。 そのため、立花氏の逮捕を受けて、3人の責任を問う声があがっている。 《増山さん、いまさら関係ないとは言えないよね》 《増山、岸口、白井のいわゆる「躍動の会」は立花逮捕で、どうするんだろうね。彼らはそもそも「立花孝志を躍動」させた会だから》 《増山誠さんよ、あんた 故 竹内さんのことを黒幕や言うとるよね しかも、あんたが立花に渡した怪文書で竹内さんが誹謗中傷に晒されることになったのをどう考えてるんだ》 そんななか、増山氏は10日に「【逮捕】立花孝志氏の逮捕を受けて思うこと。」と題した動画をYouTube上で公開。そのなかで、「誹謗中傷に類するような発言というのはぜひぜひ皆さん控えていただきたい」とし、立花氏については「どういった情報をもとにああいう発言をしたのか、私の方ではまったくわかりませんので、最終的にどういった判決が出たかによって変わってくると思う」とコメントしていた。

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