教員らがSNS上のグループで女児の盗撮画像等を共有していたとされる事件の余波が収まりを見せない。新たにこの件で岡山県の小学校教諭が逮捕されたことにより、改めてことの重大さがクローズアップされている。 「5都道県の教員が女児の着替えなどの画像を共有し合っていたというおぞましい事件は、被害者の心の傷の深さはもとより、本来であれば子どもや保護者が最も安心して過ごせる学校という場への警戒心を世に増大させたもので、その罪深さは計り知れません」 こう話すのは危機管理コンサルタントの平塚俊樹氏。 「教職員の性犯罪がいつのまにか社会問題化してしまった現状に身震いしている方も多いのではないでしょうか。 盗撮やセクハラ行為のほかにも、教師が立場を悪用してグルーミング(手なずけ)を行い、生徒の心理を誘導するなどの事例も起きています。 文部科学省によれば、令和5年に性犯罪・性暴力等で懲戒処分された教員の数は320人にも及びました。 教員の採用や研修段階での対策も必要でしょうが、日頃から家庭内でコミュニケーションを密に取り、少しでも不審や不安な点があれば、子が保護者に相談できる関係性を築いておくことも重要な対策です」 今回取材に応じてくれたのは、50代の専業主婦・Aさん。Aさんの娘は大学4年当時に妊娠し、内定していた会社に就職することなく結婚して子どもを産み、現在は一見すると何不自由なく暮らしているように見えるという。 「娘の結婚相手は、かつて部活の顧問だった人です。教科担当としてある科目を教えてもらっていた時期もあります。娘は大学4年の時に、この顧問と再会しおつき合いをするようになった、と説明してきましたが、最近になって新たな事実が判りました。そのことで、私は非常にもやもやとしています」とAさん。 Aさんの娘は恩師と結婚に至った経緯について、同窓会で再会したことがきっかけとなった、と説明してきたが、実は母校に在学していた当時からアプローチされていたことが最近になって判明したというのである。 Aさんはその事実についてこう述べる。 「娘はその部活の部長をしており、先生と接触する機会が多かったのですが、在学当時から『教え子は可愛いものだけれど、君は特別』『好きすぎて困る』など、非常識な発言を多数受けていたと言うのです。 娘との会話の流れでそれを知りましたが、娘本人は『昔から気に入られていたんだよね』という程度の捉え方をしております。先生とデートをする関係になってからも、『これが君がしたかったことだよ』など、洗脳を伺わせるような発言があったようです」 在学当時は男女関係はなく、大学4年時の同窓会で久しぶりに再会したのは事実だったようだが、一方でLINEなどでの連絡は在学当時から延々続いており、その連絡上では、娘の男性関係に介入するようなメッセージなどを送っていたそうで… 「最近よく耳にする性的グルーミングを長い期間かけて計画的に行われていたのではないかと思い、娘の夫を見る目が変わってしまいました。なかなかの束縛男なので、そこも心配です」 とAさんは現状での不安を語った。恋愛感情とグルーミングによる心理変化の見極めは、実際問題たいへん難しいものであるようだ。 【関連記事】「その男とどんなことしたの?」恩師が娘の恋愛相談に対して起こした行動とは。すでに子どもは2人。愛とグルーミングの境界は 【取材協力】平塚俊樹:危機管理コンサルタント【聞き手・文・編集】佐原みすず PHOTO:Getty Images【出典】文部科学省:性犯罪・性暴力等に係る懲戒処分等の状況(教育職員)(令和5年度)