台湾、中国人をスパイ罪で起訴 現役軍人を勧誘か

【AFP=時事】台湾の検察当局は18日、中国人1人を含む7人を、中国のために軍事機密を収集したとして国家安全法違反などの罪で起訴した。 中国は台湾を自国領土の一部だととみなし、武力による併合も辞さない構えを見せている。これに対し台湾は、中国が台湾の防衛力を弱めるために諜報(ちょうほう)活動や潜入工作を行っていると非難している。 台湾高等検察署によると、中国人の丁被告は、ビジネスや観光の名目で台湾を複数回訪問。 中国共産党のために台湾の現役軍人や退役軍人を勧誘して軍事、防衛、政府に関する「機密情報を収集」した疑いがある。 検察によると、7人の被告は、国家安全法、刑法、および国軍刑法に違反などの罪で起訴されている。 この事件に関連して、8人目の被告がマネーロンダリング(資金洗浄)などの罪で起訴された。 検察当局は台湾人の被告らについて、「戦友を裏切り、母国を裏切った。最も厳しい法的制裁を受けるべきだ」と述べ、裁判所に重い刑罰を科すよう求めた。 法務部(法務省)調査局(MJIB)の関係者はAFPに対し、丁被告は7月に台湾で逮捕されたと述べた。 高等検察署の報道官は、中国人が台湾領土内でスパイ活動の罪で起訴されたのは2017年以来だと述べた。 MJIBによると、台湾における中国人による潜入工作のほとんどは「海外からの遠隔操作」によって行われ、「現地の協力者」を利用しているという。 この事件は、台湾国防部(国防省)による内部調査で発覚し、複数の機関によって捜査された。 台湾国家安全局によると、中国のスパイ活動をめぐり昨年、64人が起訴された。2023年は48人、2022年は10人で年々増加している。有罪となれば20年以下の拘禁刑を科される。【翻訳編集】 AFPBB News

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