急増する銅線盗難 業者を「異例」逮捕、盗品知りながら買い取りか

盗品と知りながら銅線ケーブルを買い取ったとして、警視庁は、金属買い取り業者の社員で中国籍の杜旭容疑者(27)=埼玉県川口市芝園町=を盗品等有償譲り受けと組織犯罪処罰法違反(犯罪収益の収受)の疑いで逮捕し、4日発表した。「盗品とは知らずに買い取りました」と容疑を否認しているという。 金属盗をめぐり、買い取り業者が盗品と認識していたとして逮捕するのは異例という。 捜査3課によると、逮捕容疑は5月26日、栃木県小山市の業者敷地内で盗品の銅線ケーブル約840メートルを約61万円で買い取ったというもの。 警視庁はこれまで、同25日夜に東京都日の出町の太陽光発電施設から銅線ケーブルを盗んだなどとして、タイ人の窃盗グループ7人を逮捕している。防犯カメラ映像などから、このグループが持ち込んだケーブルを買い取ったとみている。 杜容疑者の業者は1~5月、同グループから約4千万円分の銅線を約90回に分けて買い取っていたという。今後、会社としての関与についても調べる。 金属類の盗難は近年急増し、中でも太陽光発電所の金属ケーブルが切断されて持ち去られる被害が多い。警察庁によると、昨年1年間の金属類の盗難は全国で1万6276件あり、3年前の約3倍だった。今年はより深刻で10月までに1万7887件(暫定値)に及ぶ。(藤田大道)

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