東京・赤坂のライブハウス兼飲食店のイベント出演前の40代女性が刺された事件に関与した疑いが強まったとして、警視庁は22日、国家公務員の大津陽一郎容疑者(43)=東京都練馬区土支田4丁目=を殺人未遂容疑で逮捕した。「私はやっていません」と容疑を否認しているという。 捜査関係者によると、男は女性の知人で、陸上自衛隊朝霞駐屯地(東京都練馬区など)に所属する現役自衛官。逮捕前の聴取に「被害者とは知り合いだが、トラブルはない。当日は仕事は休みだったが、朝から昼頃まで職場におり帰宅した」と話したという。 陸上自衛隊によると、容疑者は2000年3月入隊。茨城県や青森県での勤務を経て24年3月から同駐屯地第1施設大隊に復帰した。施設補給陸曹という役職で、主に重機などの機材の維持や管理などにあたっていた。 朝霞駐屯地の安保(あぼ)直之・第1施設大隊長(2等陸佐)は「心から被害者の回復を祈ると共に、警察の捜査には全面的に協力し、事実関係に基づき厳正に対処して参ります」とコメントした。 朝霞駐屯地は、全国にある各方面隊を総括して有事に対応する陸上総隊や、首都直下地震に対応する東部方面総監部が置かれ、陸自における中枢機能を担う。約4千人が所属し、自衛隊体育学校や中央音楽隊、女性自衛官教育隊などもある。 敷地は東京ドーム19個分にあたる91ヘクタールで、埼玉県の朝霞市、新座市、和光市や東京都練馬区にまたがる。主に1960~70年代に返還された米軍基地の跡地の一部を利用している。 10月下旬には、小泉進次郎防衛相が就任後初の視察先として訪問。自衛隊の最高指揮官である歴代首相の観閲式もここで行われてきた。(小寺陽一郎、矢島大輔)