こども性暴力防止法施行へ 学校に防犯カメラ設置…こどもたちはどう思う? 中高生の意見聞く

来年12月に始まるこども性暴力防止法。こどもたちへの性暴力を防止するためになにが大切か、こどもの意見を聞く場が設けられました。 東京都内にある私立の中高一貫校。廊下に設置されているのは、防犯カメラです。 およそ10年前から、校舎の内外合わせて64台の防犯カメラを設置。 学校が設置を決めた理由。それは、犯罪やハラスメントなどからこどもたちを守るためだといいます。 学校の生徒「ちょっと見張られているかな?とか思ってしまうけど、実際、事件とか起きてしまったときには、(防犯カメラが)あった方が後々良くなる」 学校内で起こりうる事件…今年に入ってからは、当時小学校教諭の男ら7人が女子児童を盗撮し、画像をSNSで共有したなどとして逮捕、事件が相次いでいます。 こうした被害を防ごうと、政府が来年12月25日に施行する予定なのが、こども性暴力防止法です。 この法律には性犯罪歴がある人を、こどもと接する仕事に就けないようにする仕組み、「日本版DBS」や性犯罪を起こさせないための研修の実施などが盛り込まれています。 法律を施行するためのガイドラインを専門家らが検討中で、学校の防犯カメラについても議論。 当事者であるこどもたちはどう考えているのか…この日、こども家庭庁が中高生の意見を聞きました。 「(事件の報道が多く)学校が信用できないっていうのがすごいある」 「教室・更衣室・入り口とかに全部監視カメラとか、とにかくそれを学校じゃなくて行政でやってほしい」 参加した生徒の1人からは、防犯カメラを多く設置してほしいという意見が。 意見を直接聴くのは、こども家庭庁の担当者や検討会の委員らです。 大人の議論では出ていないこんな意見も。 「なにかの対策が義務化になったとするならば、ホームルームみたいな授業とかで説明するのも一緒に義務化しないと」 「制度だけを義務化してもね、よく分からないけど、これしなきゃいけないらしいみたいな」 以前、学校で、スクールカウンセラーとの定期面談が突然始まり、とまどった経験がある生徒の発言から議論が広がりました。 「受ける側がなにこれってなっていたら本末転倒かなと思う」 “大人だけでなくこどもにも新たな制度に関することを教えてほしい”こどもたちの率直な思いでした。 こどもたちの意見を受け、21日、こども家庭庁は、「制度にまつわる教育や啓発をこどもたちにも行うことが重要だ」とガイドラインに盛り込む案を示しました。 「こども性暴力防止法」はこどもを性暴力から守るこどものための法律です。 当事者であるこどもたちの意見をただ聴くだけではなく反映し、この法律やガイドラインを実行できるのかが問われています。

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