東京・足立区で乗用車が歩行者をはね、11人が死傷したひき逃げ事件。80代の男性に加え、心肺停止だった20代の女性の死亡も確認されました。 トラックに追突し、ボンネットが大きくめくれた乗用車。乗っていた男はドアを開け、走り去っていきます。 きのう、東京・足立区の国道で車が歩行者をはねるなどして、男女11人が死傷したひき逃げ事件。80代の男性が死亡し、20代の女性が心肺停止の状態となっていましたが、女性の死亡も確認され、この事件の死者は2人となりました。 目撃した人 「白い車が歩道に上がって、また道路に出た感じですね。暴走、もう本当に速かったです。次々はねられた感じです」 警視庁は、この死亡ひき逃げ事件が起きるおよそ2時間前に、現場近くの自動車販売店で事件を起こした車を盗んだとして、足立区に住む37歳の男を逮捕。男が事件を起こした車を運転していたとみていますが、その後の捜査関係者の取材で、男がわずか2分ほどの時間で車を盗んだとみられることがわかりました。 これは、自動車販売店付近の防犯カメラ映像。事件のおよそ2時間前です。そこに事故を起こした車を盗んだとみられる男の姿が。何かを拾っているようにみえます。その後、自動車販売店を一度、通り過ぎますが、およそ5分後に戻ってきます。そして、店の中へ。 そのわずか1分40秒後、白いセダンタイプの車が出てきました。車は販売前のもので、保管してある駐車場から盗まれたということです。車内にスマートキーが置かれたままで、運転できる状態だったといいます。 逮捕された男(37) 「車がほしい」 男はこれまでに2回、この販売店を訪れていたということです。取り調べに対し、男は車を盗んだことについて、こう否認しているということです。 逮捕された男(37) 「盗んだわけではなく、車を試乗するために店に行った」 「神奈川県内の山の方へ行きたいと思っていた」 警視庁は、男の刑事責任能力を慎重に判断する必要があるとして男の氏名を明らかにしていませんが、当時の状況などを詳しく調べています。