減速せず女性はねたか ブレーキ痕見当たらず 11人死傷事故・警視庁

東京都足立区梅島で盗難車が暴走し11人が死傷した事故で、最初に起きたひき逃げ現場で、車が減速せずに横断歩道に突っ込み、20代女性をはねたとみられることが25日、捜査関係者への取材で分かった。 その後も減速せずに歩道などを走行した可能性があるといい、警視庁が詳しい状況を調べている。 女性は重体だったが、同日、搬送先の病院で死亡した。死者は2人となった。 同庁は2人の身元を、いずれも同区に住む、フィリピン国籍の会社員テスタド・グラディス・グレイス・ロタキオさん(28)と、無職杉本研二さん(81)と明らかにした。 事故は24日午後0時半ごろ発生。車は横断歩道を渡っていたテスタドさんを最初にはね、その後、歩道上を走行して杉本さんらを次々とはねた。さらに、車道に戻ってトラックへの玉突き事故を起こすなどし、10~70代の男女9人が重軽傷を負った。 捜査関係者によると、目撃証言のほか、最初の現場が映っていた映像などから、車は減速せずに横断歩道に突っ込み、テスタドさんをはねたとみられる。現場付近に目立ったブレーキ痕も確認されていないという。 当時、横断歩道は青信号だったとの目撃証言があり、車は赤信号を無視して進入した疑いがある。車はその後も速度を落とさずに歩道や車道を暴走したとみられる。事故直前にパトカーに追跡されていたという。 運転手は事故後、現場に車を乗り捨て逃走。同庁は24日、盗難車を運転していたとみられる同区の男(37)を自宅で発見し、窃盗容疑で逮捕した。同庁は刑事責任能力を調べるとともに、道交法違反(ひき逃げ)や自動車運転処罰法違反(危険運転致死傷)容疑を視野に捜査する。

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