東京都足立区梅島で盗難車が暴走し11人が死傷した事故で、自動車販売店から車を盗んだとして逮捕された男（37）が、過去に同店を訪れた際、「車を試乗したい」と申し出ていたことが27日、捜査関係者への取材で分かった。 店側は運転免許証の提示を求めたものの、男が応じなかったため、試乗させなかったという。 男は「試乗するためだった」と窃盗容疑を否認。一方で「車をガードレールや人にぶつけた」とも話しており、警視庁は男がひき逃げ事故を起こしたとみて調べている。 捜査関係者によると、男は7月4日に初めて店を訪れ、事故当日までの間、たびたび来店していたとみられる。「車を買いたい。午後にお金を持ってくる」などと言いながら現れないことがあったほか、「試乗したい」と店員に言った際、免許証の提示を求められ応じないこともあったという。 事故当日も店員は男に気付いたが、車を盗んで走り去ったため110番。過去、店のアンケートで氏名や連絡先を記載していたことから、警察に伝え、同庁は帰宅した男から事情を聴き、逮捕した。 男は「車内が気になってドアを開けると鍵を見つけ、そのままエンジンをかけて敷地外に出た」とも話しているという。