警視庁は3日までに、いずれも住居不定で指定暴力団住吉会系組員の野田浩輔(36)と高松紫恩(25)の両容疑者を詐欺と窃盗の疑いで逮捕した。捜査関係者への取材で分かった。警視庁は特殊詐欺の被害者からキャッシュカードを受け取ったり、現金を引き出したりするグループのトップらとみている。 捜査関係者によると、2人は何者かと共謀して2023年10月10日、東京都北区の高齢女性に電話をかけ、区役所職員を装い「還付金手続きのためにキャッシュカードを交換する必要がある」などとうそを言ってカードをだまし取り、コンビニのATMから現金50万円を引き出した疑いがある。 警視庁はこれまでに、この特殊詐欺グループのメンバーとみられる犯行当時少年だった20人を摘発していた。逮捕された2人は、このうちの1人の別の住吉会系組員を通じて少年らを特殊詐欺事件に関与させていた、と同庁はみている。匿名・流動型犯罪グループとみられ、23年9月~24年3月、首都圏の高齢者27人から計約5千万円をだまし取った可能性があるという。(三井新、西岡矩毅)