韓国最大規模のスミッシング詐欺組織摘発…被害総額120億ウォン

【12月04日 KOREA WAVE】「結婚式の招待状」や「訃報通知」「交通違反通知書」を装ったSMSリンクでスマートフォンに悪性アプリをインストールさせ、被害者1000人から総額120億ウォン(約13億円)以上を詐取した韓国史上最大規模のスミッシング詐欺組織が警察に摘発された。 ソウル警察庁サイバー犯罪捜査1課のイ・ミョンチョル課長は11月26日、記者会見を開き、組織の国内総責任者である中国籍の容疑者(38)と韓国籍の容疑者(31)を含む計13人を検挙したと明らかにした。 このうち4人は拘束、9人は在宅送致されており、中国にいる主犯格2人はインターポールによって手配中だ。 組織は2023年7月から2024年6月まで、招待状や訃報、交通違反通知などを装ったメッセージで悪性アプリをインストールさせ、遠隔でスマートフォンを操る手口を用いた。その後、被害者名義で格安SIMを無断で開通させ、SMS認証や本人確認を経て、銀行アプリに不正ログインし、資産を盗み取った。同時に被害者のスマホは通信が遮断され、即座の対応が難しくなる状況を利用した。 被害者のカカオトークアカウントを奪い、「急にお金が必要」などと周囲の知人にも詐欺メッセージを送り被害を拡大させたという。 確認された被害者数は1000人を超え、被害総額は約120億ウォン。最も大きな被害に遭った被害者は、6口座から63回にわたって計4億8500万ウォンを奪われた。 警察によると、全国で「未解決」とされていた約900件の類似被害もこの組織による犯行だったことが判明した。被害者の90%近くが50代以上で、デジタル機器の扱いに不慣れな中高年層が標的になった。 警察は2023年8月から専従チームを編成し、被害者のスマホ記録と防犯カメラなどを分析。首都圏のアウトレット駐車場で複数のスマホと偽造身分証を使って犯行に及んでいた容疑者を現場で逮捕した。 押収品には、数十台のスマホ端末、公文書偽造の身分証、現金4500万ウォンなどが含まれている。 また、IPアドレスと出入国記録の分析を通じて、中国・上海に拠点を置く主犯格2人を特定し、国際手配した。うち1人は過去にファーミング詐欺で8年間服役後、帰国していたという。 (c)KOREA WAVE/AFPBB News

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