2024年、首都圏で相次いだ闇バイトによる一連の強盗事件で警視庁などの合同捜査本部は「指示役」を初めて逮捕しました。 取材を続けてきた警視庁記者クラブ・小野恵里記者に聞きます。 ――1年以上かけ「指示役」逮捕となりましたが、実行役への指示の実態は分かってきていますか? 指示役が実行役への連絡で使っていたのが、秘匿性の高いメッセージアプリ「シグナル」です。 合同捜査本部は、一連の強盗事件だけでなく、手口が酷似する事件などあわせて約750台のスマホを押収し、解析に当たりました。 指示役は「ヘルシンキ」「パトリック」など9個のアカウント名を使い分けていたとみられていて、実行役のスマホの解析からは、事件の準備や実行方法、奪った金の回収などの犯行内容の指示がアカウントごとにある程度分担されていた実態も明らかになっています。 また、犯行現場にいる実行役に対し、「腹を蹴れ」「指を折れ」など通話機能を使って、リアルタイムで具体的な暴行の指示もしていたとみられています。 2024年、首都圏の1都3県では強盗事件が18件あり、これまでに実行役や現金回収役など51人が逮捕されています。 合同捜査本部は、今回逮捕した4人が市川市の事件を首謀したとみている上に、横浜市青葉区で男性が亡くなった事件にも関与しているとみています。 さらに、一連の強盗事件への関与や他にも関わった人物がいないかなどを含め、捜査を進める方針です。