Snow Man向井康二の“表情の管理”が見事 『フェイクマミー』制作陣が語る名シーン誕生の裏側

俳優の波瑠、川栄李奈がW主演を務める、TBS系金曜ドラマ『フェイクマミー』(毎週金曜 後10:00)の最終回が、12日に放送される。第9話で、ついにニセママ疑惑が週刊誌に報じられ、物語は急展開を迎えた。茉海恵の娘・いろは(池村碧彩)が通う柳和学園小学校での糾弾、本橋慎吾(笠松将)による冷酷な「RAINBOWLAB」買収工作、そして公開の場での薫による捨て身の偽証と逮捕。衝撃のラストシーンに、SNSでは「まさか逮捕されるなんて」「薫の愛が深すぎる」と悲鳴に近い反響が相次いだ。 最終回を目前に控え、中西真央プロデューサー、嶋田広野監督、宮崎萌加監督ら制作チームにインタビュー。波瑠、川栄らキャスト陣の知られざる演技プランや撮影裏話、そして本作が描こうとした「現代の子育て」への思い、さらには気になる最終回の見どころまでをたっぷりと語ってもらった。 ■波瑠、川栄李奈の自然体が支えた撮影現場 ――主演のお2人とはどんなコミュニケーションを取っていましたか? 中西:お2人のお芝居が素晴らしく、皆が絶大な信頼を寄せていました。なによりお2人が演じる薫・茉海恵がイメージそのものであり、正解に思えたので、台本をお渡ししてもまったく心配がなく、安心感がありました。それはお2人だけでなく、出演者の皆さん共通していました。 嶋田:オリジナル作品だったので、主演のお2人とも一緒にアイデアを出して撮影を進めていきました。特に私の担当回は感情が溢れるシーンが多かったので丁寧に相談を重ねていたと思います。 宮崎:お2人とも“そのままでいてくれるだけで薫と茉海恵”のような俳優さん。まずはドライ(撮影現場でのカメラを使わないリハーサル)で演じてもらうのですが、それを見るだけでも面白い。そこにこちらが演出を足した時に、返ってくる芝居が想像を超えてくるものばかりで、相乗効果が生まれていきました。 ――波瑠さんの印象を教えてください。 中西:クールなイメージを持っていたのですが、今作ではコメディ寄りなテンポ感でのツッコミやラブコメ的なツッコミなど、とても愛らしい姿をたくさん見せてくださったのがうれしかったです。面白くなるといいなと願って作った台本を、淡々とではなく“乗って”やってくださったのが、薫が愛されるキャラクターになった理由だと思いますし、薫をお願いできて良かったなと感じています。 嶋田:「やり過ぎていたら止めてください」と仰ってましたが絶妙でしたね。個人的には“名探偵ササエル”(佐々木智也/中村蒼)へのツッコミの表情が大好きです。一方で、波瑠さんの“想いを打ち明ける姿”や、“涙を流す姿”はすごくリアルで、見るたびに心を奪われ、いつも泣かされていました。 宮崎:第3話の薫がいろはの作文に涙するシーンもすごく素敵でした。そのあと授業中のいろはにこっそり手を振る仕草も、薫に生まれた母性が溢れていて。毎話、独身女性として生きてきた薫の芯の強さや内面の変化を丁寧に表現してくださいました。 ――川栄さんはいかがでしたか? 嶋田:川栄さんは母娘のリアルな温度感や間合いを直感的にアウトプットしているようで、さすが“リアルマミー”だと感心しきりでした。持ち前の明るさと本能的な感性、そしてずば抜けた瞬発力には目を見張るものがありました。 宮崎:こちらが何も言わなくても茉海恵として成立する方。細やかな表情やニュアンスの表現がうまいですよね。 中西:もう本当にたくさんあるんですけど、第1話で後続車にブチギレるシーンや、第6話で“三羽烏”とのお茶会での「グレてねぇ…です」の言い方など、台本や監督の意図を理解してくださった上で最高の表現を現場で提示してくれた時は、やっぱりさすがだなと。元ヤン設定なので口の悪いお芝居もたくさんやってもらったんですが、それでも絶対嫌われない、むしろ愛されてしまう魅力があるのは本当にすごいと思います。 嶋田:波瑠さんも川栄さんも、“演技を感じさせない透明感”がすさまじいです。お芝居が素晴らしいのは当たり前のはずなんですが、その一挙手一投足があたかも空気や水のように自然に普通に馴染んでしまう。型破りな設定でも本作が受け入れられたのは、まさにお2人のおかげだと感じました。

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