「山へ行きたい」パトカーに追跡され暴走か 足立の14人死傷事故

東京都足立区の国道4号で盗難車が暴走し、14人が死傷した事故で、職業不詳の横尾優祐容疑者(37)が自動車運転死傷処罰法違反(危険運転致死)などの疑いで再逮捕された。警視庁への取材で、事故や直前の状況が明らかになってきた。 容疑者が足立区内の自動車販売店を訪れたのは、24日午前10時20分。以前も複数回訪れ、気になっていたトヨタの「クラウン」が奥の駐車場にとまっていた。仕入れ後、販売前の車だった。 施錠されておらず、運転席のドアポケットにスマートキーがあり、エンジンボタンを押すとエンジンがかかる状態だった。容疑者は、「試乗したいが、購入するつもりはなく店員には言い出せなかった」と逮捕後に説明した。 容疑者は店を訪れてから約2分後、車を発進させた。 区内の自宅前を一度通ってから「水がきれいな山のほうへ行きたい」と北上した。「車の汚れが気になった」ため、途中でガソリンスタンドに立ち寄って洗車し、その後も公園に立ち寄るなどしながら、約2時間車を走らせたという。 午後0時27分、盗難の通報を受けて捜査していた西新井署のパトカーが、容疑者が運転する車を見つけ、停止を求めた。 容疑者は応じず、暴走を始めた。 一つ目の事故が起きたのは、その約1分後。歩行者側の信号が青にかわり、十数人の歩行者が渡り始めていた横断歩道に突っ込んだ。はねられた20代の女性は、衝突の衝撃で10㍍以上離れた前方の車にぶつかった。 交通捜査課によると、女性はフィリピン国籍で、輸入品販売会社に勤めていたという。

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