車に執着、たびたび販売店訪問 容疑者「どうしても乗りたかった」 足立14人死傷・警視庁

東京都足立区で盗難車が暴走し14人が死傷した事故で、自動車運転処罰法違反(危険運転致死)容疑などで警視庁に再逮捕された横尾優祐容疑者(37)は、盗んだトヨタ「クラウン」を扱う自動車販売店をこれまでにたびたび訪れていた。 「どうしても乗りたかった」と供述するなど、強い執着がうかがえる。 捜査関係者によると、横尾容疑者は7月、この販売店に初めて来店したとみられる。「車を買いたい。午後にお金を持ってくる」と言い残して立ち去ったが、姿を現さなかった。その際、「試乗をしたい」とも申し出ていたが、同容疑者は約1年前に運転免許証を紛失したといい、免許証を提示できずに断念した。事故の1週間ほど前にも、店の敷地に駐車されていた複数の車に無断で乗り込んでいたという。 事故当日、同容疑者は店を訪れ車に直行。「試乗したいが購入するつもりはなく、店員には言い出せなかった」といい、車のドアが無施錠で、車内にスマートキーがあったため「これでクラウンは自分の車になった」と考えたと説明している。 同容疑者は車を盗んで約2時間走行。埼玉県草加市のガソリンスタンドで車を清掃しており、「憧れのクラウンに乗り、汚れが気になった」とも話しているという。 事故後、同容疑者の自宅からは「クラウン」と書かれたノートや、複数の車のパンフレットなどが押収された。 捜査幹部は「(横尾容疑者は)パトカーの指示に従わず、信号無視を繰り返して事故を起こした。極めて悪質な危険行為だ」と話しており、詳しい動機などを調べる。

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