県警で立て続け不祥事 警部が部下に銃口向ける、和歌山

和歌山県警は16日、訓練の休憩中に、県警本部捜査1課の男性警部(40代)が部下2人に計4回、銃口を向けたとする事案など、4件の不祥事を立て続けに発表した。懲戒処分された3人の動機は「悪ふざけ」「事件処理が面倒」。野本靖之本部長は、この日の県議会経済警察委員会で「県民の皆さまに深くおわび申し上げる」と謝罪した。 県警は同日、部下に銃口を向けた警部を、銃刀法違反(所持)の疑いで和歌山地方検察庁に書類送検し、停職6カ月の懲戒処分とした。警部はこの日、依願退職した。「悪ふざけだった」と話しているという。 県警によると、訓練は人質を取った立てこもり事件を想定したもの。7、8月に県内で複数回あり、いずれも休憩中に、銃口を部下に向けたとされる。警部はこれらの訓練を指導する責任者だった。 訓練で使用していた「ペイント弾」は当たると破裂して染色するもので、殺傷能力は高くないが、場合によってはけがをしたり、失明したりする恐れもあるという。 ■飲酒検知で職務怠慢 また県警は16日、運転手の飲酒検知で、基準値を超えないよう処理したとして、和歌山東署の男性巡査部長(40代)と男性巡査長(20代)を証拠隠滅の疑いで和歌山地検に書類送検するとともに、巡査部長を停職1カ月、巡査長を減給10分の1(6カ月)の懲戒処分とした。 県警によると、和歌山市内で9月に発生した交通事故で、2人は事故の相手側から「運転手から酒の臭いがする」と申し出を受けたが、基準値を超えないよう、規定より短時間で計測した。運転手とは面識がなく「事件として処理するのが面倒だった」と話しているという。 巡査長が自ら上司に報告して発覚した。2人は依願退職を申し出ている。 ■警視が部下にセクハラ さらに県警は、部下の女性にひわいな内容の発言をしたりメールを送ったりしたとして、署所属の男性警視(50代)を所属長(署長)注意の処分にしたと明らかにした。懲戒処分ではない。警視は依願退職の意思を示しているという。 処分は10日付。詳細は被害者保護のため明らかにしていない。 ■証拠の大麻を紛失 海南署で、大麻取締法違反事件の証拠品として保管していた乾燥大麻1点(0・309グラム)を紛失したことも発表した。同署が逮捕した男が所持していた乾燥大麻約96グラムの一部。厳重に保管していたため、持ち出しや盗難ではなく、署員の誤廃棄の可能性が高いという。

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