英警察、「反イスラエル闘争を世界展開せよ」とシュプレヒコール上げた人々を逮捕

【AFP=時事】英警察は17日、「インティファーダ(反イスラエル闘争)を世界展開せよ」という親パレスチナのシュプレヒコールを上げた人々を逮捕した。オーストラリア・シドニーのボンダイビーチ付近で起きた銃乱射事件を受けて、取り締まりを強化すると発表していた。 ロンドン警視庁は、ロンドンで行われた親パレスチナデモで「インティファーダを呼び掛けるスローガンを叫んだ2人を、人種差別的な暴力の危険を感じさせる公序良俗違反の容疑で逮捕した」と発表した。 その後、さらに2人を公序良俗違反で逮捕。最初の逮捕を妨害したとして公務執行妨害容疑で1人を逮捕したという。 ロンドン警視庁とイングランド北西部の都市マンチェスターの警察はこの数時間前、こうしたスローガンによる反ユダヤ主義や暴力扇動に対抗するため、取り締まりを「より積極的に行う」と発表していた。 この措置は、14日にボンダイビーチでユダヤ教の祭り「ハヌカ」を狙った銃撃事件が発生し、15人が殺害されたこと、そして10月にユダヤ暦で最も神聖な日であるヨム・キプルにマンチェスターのシナゴーグが襲撃されたことを受けたもの。 ロンドン警視庁とグレーター・マンチェスター警察のトップは共同声明で、「『インティファーダを世界展開せよ』などのスローガンやシュプレヒコールについて、地域社会が懸念していることは承知している」「暴力事件が発生し、状況は変わった。言葉には意味と結果がある。われわれは断固たる行動を取り、逮捕を行う」と述べた。 インティファーダとは、イスラエルの占領に対するパレスチナ人の蜂起を指す。第1次インティファーダは1987~1993年にパレスチナ自治区ガザ地区からヨルダン川西岸に拡大、第2次インティファーダは2000~2005年に西岸、ガザ全土に拡大した。 ユダヤ人の妻を持つキア・スターマー首相は、ボンダイビーチでの銃乱射事件を「吐き気がする」と不快感をあらわに非難し、「ユダヤ人家族に対する反ユダヤ主義のテロ攻撃だ」と述べた。 ライオネル・アイダン主任検事は、公訴局(CPS)は「既に警察や地域社会と緊密に協力し、反ユダヤ主義的なヘイトクライム(憎悪犯罪)を特定、訴追、起訴している」と述べた。 CPSによると、2024年7月~2025年6月のヘイトクライムの訴追件数と起訴件数は前年比で17%増加し、1万5561件となった。【翻訳編集】 AFPBB News

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