証券口座乗っ取り 相場操縦疑い、中国籍の会社経営者を告発 監視委

他人の証券口座を乗っ取り不正な株取引で相場操縦したなどとして2人が逮捕された事件で、証券取引等監視委員会は18日、中国籍で貴金属輸入会社「L&H」経営、林欣海容疑者(38)=川崎市川崎区=と、法人としての同社を金融商品取引法違反(相場操縦)容疑で東京地検特捜部に告発した。 林容疑者は、警視庁などが同容疑と不正アクセス禁止法違反容疑で11月に逮捕した2人のうちの1人。監視委は「口座を乗っ取った人物は別だが、相場操縦における林容疑者の悪質性が認められ、犯則の心証を得たので告発した」としている。関係者によると、もう1人については相場操縦の共同正犯に問えないとして告発を見送ったという。 監視委によると、林容疑者は氏名不詳者らと共謀し3月17日、東証スタンダード上場の特定企業銘柄の株を巡り、高い価格を指定する高指し値注文や下値買い注文を繰り返して計188万8400株を買い付けるなどし、売買が盛んだと誤解した投資家の取引を誘引。さらに、この銘柄の計52万7600株を売買したうえで、上昇した株価で計72万2900株を売り抜けて利益を得た。 一連の売買にはL&H名義の口座のほか、不正アクセスで乗っ取ったとみられる他人名義の10口座が使われていた。【山田豊】

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