東京科学大が「国際卓越研究大学」の第2号 研究力向上へ百数十億円助成 東大は審査継続

松本洋平文部科学相は19日の閣議後記者会見で、政府が10兆円規模の基金を活用して財政支援する「国際卓越研究大学」の第2号として、東京科学大を認定する見通しになったと明らかにした。松本氏は「世界最高水準の研究大学の形成を着実に進めたい」と述べた。財政支援は令和8年度から始まり、初年度は百数十億円に上るとみられる。 公募には東京大や京都大など8校が申請した。京都大も今後の認定候補に選ばれたが、研究体制の強化に向けた計画を最長1年かけて改善した後となる。不祥事が相次いだ東京大は、認定候補とすべきかを再検討するため有識者らによる審査を継続する。 国際卓越大は政府が10兆円規模で設立した大学ファンド(基金)の運用益で、世界最高水準の研究力を目指す大学を支援する制度。1校当たり年数百億円の助成が最長で25年間続く。第1号として東北大を認定し、今年約154億円を助成した。3回目を実施するかは決まっていない。 東京科学大は、人工知能(AI)の導入やデータの提供など、病院を臨床と研究の場としてフル活用する「病院のイノベーション化」など3つの目標を掲げた。助成の約8割を研究者らの人件費に投資し、職員を1・5倍に増員。医工連携研究の論文を25年で7倍以上に増やす。 京都大は教授が運営する研究室に准教授や助教が所属する閉鎖的な組織体制を改め、若手研究者の独立性を高めることを提案。意欲的な計画だが策定途上と指摘された。 一方、東京大を巡っては今年11月、医学部准教授が収賄容疑で逮捕されるなど不祥事が相次いだ。認定を審査する有識者会議は「ガバナンスに関わる新たな不祥事が生じた場合、審査を打ち切る」と条件を付けた。

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