2025年の特殊詐欺の被害額が1213億円にのぼった。警察庁が12月に発表した。11月末時点の数字であり、年間被害額はさらに増える見込みだ。 12月には「首都圏闇バイト強盗事件」の指示役とみられる4人が逮捕された。このうち1人は、別の特殊詐欺事件でも回収役に指示したとして逮捕されている。 特殊詐欺被害は深刻さを増しており、組織的な犯行の広がりも指摘される。全国の警察は、匿名・流動型犯罪グループへの対策を最重要課題と位置づけ、取り締まりを強化している。 かつて特殊詐欺は「母さん助けて詐欺」と呼ばれることもあった。しかし、その手口はその後、多様化の一途をたどっている。警視庁は弁護士ドットコムニュースの取材に対し、現在ではこの呼び名を使っていないと明かした。 被害者の多くは「自分は大丈夫」と過信してしまい、結果としてだまされて、多額の財産を奪われている。(弁護士ドットコムニュース編集部・塚田賢慎)