■「スマホ750台を解析」 実行役50人の先にいた姿なき首謀者たち 2024年の8月から11月にかけて首都圏で相次いだ闇バイト強盗事件。 2025年12月、大きな動きが… 記者 「容疑者を乗せた車が、警視庁新宿署に入ります」 首謀者と見られる4人を逮捕。すでに実行役など50人以上を逮捕していたのに、この4人にたどり着くまで、なぜ1年以上もかかったのでしょうか。 警視庁 親家和仁刑事部長 「逮捕した実行役や関係事件の被疑者などから押収したスマートフォンなど、約750台の解析を行いました」 SNSで集められた実行役は、首謀者と顔を合わせることなく、秘匿性の高いアプリで指示を受け、犯罪に手を染めていました。 こうした集団を、匿名流動型犯罪グループと呼びます。略して「トクリュウ」。私たちは今回、その幹部と接触し、驚きの実態を知ることになりました。 ■「やられ名簿」をネタに詐欺 リーダーは会社で“お面” 数か月前まで“トクリュウ”の幹部だった人物に、私たちは会うことができました。 トクリュウ元幹部 「自分がやっていたのは特殊詐欺。『やられ名簿』というのがあって、家族関係や仕事、資産がどれぐらい眠っているかが書いてあるので、それをネタに詐欺をしていた」 特殊詐欺をはたらく、トクリュウグループにいたこの男性は、実行役の闇バイトをSNSでリクルートしたと言います。その数、100人以上。 トクリュウ元幹部 「とりあえずひっきりなしに応募が来る形で、こっちでも捌けないぐらい、どんどん人が集まってきましたね」 トクリュウは匿名であることを徹底していたと男性は言います。このグループの実質的なリーダーがいつも身につけていたのは… トクリュウ元幹部 「すごい方で、ずっとお面をつけているんですよ。会社の中で。僕たちにも顔を知られたくないんだなと」 顔も名前も明かさず、詐欺行為を繰り返すトクリュウ。 トクリュウ元幹部 「お互いに偽名で呼び合っていたので、僕も本名は一回も言ったことがないですね」