【01月02日 KOREA WAVE】中国国籍の30代男性が、韓国・済州島にある海軍基地をドローンで無断撮影したとして、軍事基地保護法違反の疑いで警察に摘発されたことが12月31日、明らかになった。外国人による軍事施設や国家重要施設の無断撮影事件が相次いでいる中、韓国では防諜捜査体制の強化が急務との声が高まっている。 済州警察庁によると、中国人の容疑者は、2025年8月19日夕方、済州・西帰浦市(ソグィポシ)にある済州海軍基地周辺をドローンで撮影した疑いが持たれている。 現場では海軍関係者が容疑者の行動に気づき、警察に通報。出動した警察は容疑者を任意同行で取り調べ、軍事施設保護区域の上空を撮影していた事実を確認し、緊急逮捕した。 警察が押収したドローンと保存装置には、約2分間の映像が残されていた。映像には潜水艦や軍艦といった主要軍事資産は直接映っていなかったが、基地全体の建物や構造が映っていたという。 容疑者は事件の前日に中国から済州に入国しており、「観光目的で訪れ、好奇心から撮影した。軍事基地を探る意図はなかった」と供述した。警察は、繰り返しの撮影行為はなかったとみている。 警察は容疑者に出国禁止措置を取ったが、撮影目的や計画性が明確に立証されなかったことから、拘束令状を申請せず、在宅のまま検察に送致した。 済州だけでなく、釜山やソウルでも外国人による軍事・国家施設の無断撮影事件が相次いでいる。 釜山では2023年6月、中国人留学生が米海軍の原子力空母などをドローンで複数回撮影したとして摘発された。 ソウルでは2023年11月、中国人男性がドローンで朝鮮王朝の陵墓を撮影中に、近隣の国家情報院の建物まで映したとして、現行犯逮捕された。 専門家は、防諜分野における警察の体制見直しを急ぐべきだと指摘する。 現在、警察の安全保障捜査部門は主に北朝鮮関連のスパイ摘発を担っており、産業スパイやテロ・防諜分野は限られた人員で対応している。 また、スパイ対象を北朝鮮以外の外国まで拡大する国家保安法改正案が2026年初頭にも国会で可決される見通しで、変化する安保環境に合わせた捜査体制の拡充が求められている。 慶熙大学のチュ・ジェウ教授(国際政治学)は「防諜体制の強化は、各国が自国を守るために取り組む世界的潮流。警察の産業スパイ・防諜対応力、国家情報院の防諜機能をバランスよく強化する必要がある」と提言している。 (c)KOREA WAVE/AFPBB News