首謀者摘発の闇バイト強盗、実行役の報酬は最大で数万円 「使い捨て」の実態、捜査で判明

令和6年に首都圏で発生した「匿名・流動型犯罪グループ(トクリュウ)」による連続強盗事件で、警視庁などの合同捜査本部が昨年末、初めて「首謀者」とみられる4人を摘発した。もともと、特殊詐欺に関与していたとみられるグループはなぜ、強盗に手を染めたのか。捜査では、4人が役割の細分化など詐欺組織の構図を維持しながら、短絡的に手口を凶暴化させた過程が浮かび上がってきている。 ■「腹を蹴れ」「指を折れ」電話で指示 強盗事件は令和6年8~11月、神奈川、埼玉、千葉、東京で18件発生。店舗や家屋に実行役が複数人で押し入り、金品を奪ったり、住人にけがをさせたりする手荒な手口が共通しており、横浜市では被害男性が激しい暴行を受けて死亡した。 このうち、千葉県市川市の事件を主導したとして、強盗傷害などの容疑で逮捕、同罪で起訴されたのは、福地紘人(26)、斉藤拓哉(26)、村上迦楼羅(27)、渡辺翔太(26)の4被告だ。 「腹を蹴れ」「指を折れ」-。4人は秘匿性の高いアプリ「シグナル」の9つのアカウントを使い分け、車内やホテルなど複数の場所から、実行役らに電話などを通じて指示。暴行させる際には、非のない被害者を悪者に仕立てるなどし、実行役に罪悪感を感じさせないようにしていた。 押収したスマートフォンの解析などから、4人が6年8~10月、X(旧ツイッター)の他人名義のアカウントを購入していたことが判明。「強盗」「案件多数」などと書かれた募集の投稿が見つかり、4人は実行役を集める役割も担っていたとみられる。 ■報酬得た実行役は逮捕の38人中6人 そんな「闇バイト」に応募し、一連の事件で逮捕された実行役は、全部で38人。ところが、実際に報酬を得ていたのはそのうちわずか6人で、取り分は最大で数万円だったとみられる。全18事件の被害総額は約2300万円とされており、「高収入」などとうたう闇バイトに応募した実行役は、ほとんど報酬を得られていなかった。 一方、実行役らが強盗で得た金品の「回収役」は、数十万円の報酬を得ていた者もいた。首謀者らは回収役により高い報酬を与えることで、自分たちに確実に金品が渡るようにしていた可能性がある。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加