2025年に『FRIDAYデジタル』が報じてきた数々の事件の中から、とくに選りすぐってお届けする【2025年凶悪&重大事件ワイド】。今回は『さいたま頭蓋骨殺人』だ。「小さい頃から殺人願望のようなものを抱いていた」と供述した被告の罪は殺人か、同意のうえでのものだったのか。 ◆自宅から被害者の頭蓋骨が… 事件の概容について、’25年6月23日配信の『FRIDAYデジタル』は次のように報じていた(《》内は過去記事より引用、表記は当時のままにしています)。 《’25年6月16日、埼玉県警は殺人の容疑で埼玉県さいたま市在住の無職・斎藤純容疑者(31)を再逮捕した。斎藤容疑者は’18年1月ごろ、SNSで知り合った宮本果歩さん(当時21歳)の首を絞めて殺害したとみられている。 「事件が発覚したきっかけは’25年5月、斎藤容疑者が別の女性からスマートフォンを盗んだ罪で逮捕されたことでした。その家宅捜索の中で自宅から宮本さんの頭蓋骨が発見され、逮捕につながりました。宮本さんの骨は頭蓋骨以外にも複数見つかっており、県警は自宅で遺体を解体したものとみて、さらなる捜査を行っています。 斎藤容疑者は宮本さんの他にも20〜30代と思われる女性の頭蓋骨を所持しており、いずれも自室の棚に飾っていたそうです。宮本さんの殺害については、『合意の上で殺した。小さい頃から殺人願望のようなものを抱いていた。動機は単純な殺意そのもの』と語り、容疑を大筋で認めています。一方、別の女性の頭蓋骨については、『ネットで購入した』と話しており、殺害については否定しています」(全国紙社会部記者)》 ’25年6月18日に送検された斎藤被告の姿を本誌はとらえていた。押しかけた多くの報道陣を前にしても護送される車の中で、真っすぐに一点だけを見つめていた斎藤被告。本誌カメラマンがカメラを向けると、一瞬だけ、こちらに顔を向けた。その瞳には生気がなく、彼の中の“虚無”を表しているようだった。その冷ややかさが象徴するかのように、犯行も計画的で冷静なものだった。 《「斎藤容疑者は取り調べに対して『通り魔をして人を殺すのは、リスクが高いと思い諦めた。自殺願望者であれば警察の捜査も私まで届かず、好都合だった』とも語っているそうです。宮本さんと出会ってからは、彼女に『住み込みのバイトに行く』といった手紙を書かせたり、場所が特定されないようにSIMカードを抜くよう指示を出すなど、周到に計画をしていたことがわかっています」(同前)》 犯行を周到に計画し、自身の「殺人願望」まで語っておきながら、あくまで「合意だった」と主張する斎藤被告。だが、県警の逮捕容疑はあくまで「殺人」だった。弁護士によれば、殺人と死体遺棄で有罪になれば懲役15年の判決もありうるのに対し、合意のうえでの同意殺人の場合は懲役2~7年の量刑になるという。 事件は「殺人」なのか、「同意殺人」なのかが焦点となっていた。 ◆おとなしい印象の子だった 現場となった斎藤被告の自宅は、さいたま市大宮区の緑の多いエリアに建つ4階建ての分譲マンション。ここに飲食店を経営する両親とともに住んでいたという。 「近隣の人の話では両親は会えば挨拶をする気さくな人たちだそうです。斎藤被告は生まれたときからこのマンションにずっと住んでいて、おとなしい印象の子だったそうですが、最近はあまり見かけなかったようです。『子供がいたとは知らなかった』と話す人もいました。 斎藤被告のお祖父さんも近所では有名な飲食店を経営していて、子供の頃はよくそこでご飯を食べていたと聞いています」(事件ライター) 一見幸せそうな普通の家族に見えた斎藤被告の家だったが、取材ではいくつかの“不幸話”も聞いたそうだ。 「斎藤被告には兄がいたそうですが、彼が10代の頃にバイク事故で亡くなっています。また、母親が新興宗教にハマっていたという話もありました。もしかしたらそういったことも今回の事件と何か関係があるのかもしれません。さらに事件の数ヵ月前にはお祖父さんとお祖母さんがやっていたお店も畳んでしまったようです」(同前) ’25年6月23日配信の『文春オンライン』では10代の頃から彼を知っているという友人の証言を報じた。それによれば、〈純は『エホバのせいで兄貴が死んだ』と認識していたし、そう口にしていました。憧れの兄の死に直面し、やり場のない怒りをぶつけているようにも見えた〉という。母方の祖父母が熱心な『エホバの証人』の信者で、兄の死は宗教が輸血を禁じていたために十分な手当てができなかったことを恨みに思っていたようなのだ。 この出来事が斎藤被告を暗い衝動へと駆り立てることになったのだろうか。その後の警察での取り調べの詳細は伝わっていないが、検察は“合意”のうえで被害者を殺害したと判断したようだ。 ’25年7月8日、さいたま地検は承諾殺人の罪で斎藤被告を起訴している。