またも「政治とカネ」を巡り、私利を追う議員のモラル欠如が明るみに出た。 一般社団法人の理事となることで国民健康保険料の支払いを免れる「国保逃れ」である。 所属議員の関与を指摘された日本維新の会は、党内調査で兵庫県議2人と神戸、尼崎の市議2人が行っていたと発表し、「脱法的行為と捉えられる」と認定した。 吉村洋文代表は「国保逃れとみられる悪質なもの」とし、厳しく処分するとした。他にも関与や勧誘行為を追加調査するという。 維新は「高い社会保険料の引き下げ」を訴え、自民党との連立合意でも掲げた。その陰で所属議員が脱法工作に走っていたとは、あきれ果てる。党のガバナンス(統治)と倫理が厳しく問われよう。 調査報告によると、4議員は京都市の一般社団法人「栄響連盟」に加入。毎月の会費3万4千〜5万円を払う一方、理事報酬1万1700円を受け取り、その低い収入に基づく社会保険料しか払っていなかった。 別の法人にも4人が関与し、19人が保険料削減を目的に加入を勧誘されたことがあると回答した。 公的報酬を受ける議員は通常、個人事業主らが入る国保で、保険料全額が自己負担になる。社保にすると事業者と折半し、少ない理事報酬に合わせ保険料が割安となり、国保料支払いは不要となる。 恣意(しい)的な切り替えは、加入者の相互扶助と、所得に基づく応能負担の原則で支える医療保険制度を根底から揺るがす。 報告書は、現時点で組織的関与を示す事実はないとする。ただ、栄響連盟の代表理事と元代表理事は維新国会議員の元秘書だ。地方組織では議員らのLINEグループで加入提案が行われていた。 先月の大阪府議会で問題を提起した自民党府議は、「維新の議員がやっている」と加入の勧誘に使われている、と指摘した。 維新内に広がった経緯や問題性の認識など、徹底した調査と検証を求めたい。 維新では、昨夏に秘書給与詐取事件で参院議員が逮捕された。議員秘書らの身内企業、キャバクラへの多額の公金支出など不祥事、不適切事案が自民と並んで多い。 国民の厳しい目に党勢が低迷する中、企業・団体献金禁止の公約棚上げで組んだ自維連立は「同じ穴のムジナ」に映る。口先だけの「身を切る改革」でなく、自ら「身を正す改革」と、脱法を防ぐ規制の議論こそ政治の責任だ。