尹前大統領に死刑求刑 非常戒厳巡り、2月にも判決 韓国

【ソウル時事】韓国の尹錫悦前大統領が2024年12月に「非常戒厳」を宣言し、内乱を首謀した罪で起訴された事件で、2回目の論告求刑公判が13日、ソウル中央地裁で開かれた。 特別検察官は「憲政秩序の破壊行為だ」と指摘し、死刑を求刑した。この後、被告が最終意見陳述し、結審する。判決は2月になる見通し。 同罪の法定刑は死刑または無期懲役、無期禁錮となっている。共犯として内乱重要任務従事などの罪に問われた金龍顕前国防相や軍、警察の元幹部ら7人の審理も併せて実施。地裁は9日の結審を目指したが、弁護側の弁論が長引き、期日を追加した。 起訴状によると、尹被告は24年12月3日、憲法が戒厳の要件と定める戦時・事変などに該当しないにもかかわらず戒厳を宣言。軍や警察を動員して国会を封鎖させたほか、政治活動を禁じる布告令の発出や中央選挙管理委員会への軍派遣にも関与したとされる。 一方、尹被告は戒厳宣言は「数時間で終わり、暴力的でなかった」などと主張。大統領の正当な権限行使だったとして無罪を訴えている。 尹被告は25年1月、現職大統領として初めて内乱首謀罪で逮捕、起訴された。同年4月には憲法裁判所が大統領を罷免。李在明政権発足後に捜査が進み、職権乱用や公選法違反などでも裁判にかけられている。 1979~80年の「粛軍クーデター」や戒厳令に関与した全斗煥、盧泰愚両元大統領は退任後に内乱罪で起訴され、97年に最高裁でそれぞれ無期懲役、懲役17年の刑が確定し、後に特赦された。韓国では同年を最後に死刑が執行されておらず、事実上の死刑廃止国と見なされている。

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