静岡市葵区川越町の飲食店経営会社役員の男性=当時(30)=の遺体を損壊、遺棄したとして同区鷹匠、飲食店経営会社役員の男(31)ら3容疑者が死体損壊と死体遺棄の疑いで逮捕された事件で、親族から行方不明届が出され、事件が発覚する10月2日の前日夜、若い男女とみられる複数の人物が男性の自宅アパートに出入りしていたことが10日、関係者への取材で分かった。遺棄後、静岡市内のカー用品店に清掃依頼したとされるワゴン車は、同じく逮捕された清水区内のアルバイト店員の女(19)が男(31)らの指示を受けて店側に依頼していたとみられることも分かった。 関係者によると、アパート付近の防犯カメラ映像に10月1日午後7時ごろから数分間にわたり、若い男女とみられる複数人が鍵を開け、室内に出入りする様子が映っていた。静岡県警が既に映像を押収し、解析している。男女は男性の親族ではないとされる。 5月下旬ごろからアパートのベランダに半年ほど干されたままだった洗濯物も同じタイミングで取り込まれていたことが確認された。男(31)と、同じく逮捕された葵区六番町、飲食店店長の男(27)は普段から男性の自宅に出入りしていたとみられる。 一方、ワゴン車は普段、男性に加え、男(31)も使っていたとされる。男(31)らが事件の発覚を恐れ、一連の行動で証拠隠滅などを図ろうとしていた可能性もあり、県警が裏付け捜査を進めている。 3人の逮捕容疑は共謀して6月ごろから10月ごろまでの間に男性の死体を損壊し、遺棄した疑い。事件に至った経緯や具体的な役割を追及するとともに、男性が死亡した経緯を知っているとみて殺人容疑も視野に捜査を続ける。