韓国の非常戒厳を巡り、警察のトップら2人の身柄が内乱の疑いで拘束されました。 今後、尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領への捜査も加速するものとみられます。 韓国警察の国家捜査本部は11日未明、趙志浩(チョ・ジホ)警察庁長官と金峰植(キム・ボンシク)ソウル警察庁長官の身柄を拘束したと発表しました。 2人は12月3日の非常戒厳で、国会に向かう国会議員などの出入りを阻止するよう指示した内乱の疑いなどが持たれています。 聯合ニュースは、警察が、自らが警察庁のトップと首都ソウルの警察のトップを同時に拘束したのは初めてとしています。 韓国では検察が10日夜、尹大統領に非常戒厳を進言したとされる金龍顕(キム・ヨンヒョン)前国防相を内乱の疑いなどで逮捕していて、韓国のテレビ局MBCは「警察内部では捜査の主導権争いで検察などに押されているという批判の声が出ていた」と伝えています。 尹大統領への捜査も加速するとみられる中、野党は2回目の弾劾訴追案を11日にも国会に提出する見通しで、共に民主党の李在明(イ・ジェミョン)代表は「14日の国会本会議で成立させるために努力する」としています。 こうした中、北朝鮮の労働新聞は11日、尹大統領の「非常戒厳」宣言について初めて報じ、「独裁の銃刀を国民にちゅうちょなく突きつける衝撃的な事件が起き、韓国を阿鼻叫喚とさせた」と伝えました。 また、尹大統領の弾劾に向けた野党や市民の動きにも触れ、「国際社会は尹錫悦の政治生命が早期に終わる可能性があると考え注視している」としています。