角川歴彦元会長に贈賄罪で有罪判決 五輪汚職、無罪主張を退ける

東京五輪・パラリンピックをめぐり、大会組織委員会元理事への贈賄罪に問われた出版大手「KADOKAWA」元会長、角川歴彦(つぐひこ)被告(82)に対し、東京地裁(中尾佳久裁判長)は22日、懲役2年6カ月執行猶予4年(求刑懲役3年)の有罪判決を言い渡した。 起訴状などによると、角川元会長は部下の元専務と元五輪担当室長と共謀し、大会組織委の元理事・高橋治之被告(81)=受託収賄罪で公判中=に大会スポンサーにKADOKAWAを選ぶことや、協賛金を3億8千万円以内に抑えることなどを依頼。その謝礼などの趣旨で計約6900万円の賄賂を、2019年9月~21年1月の間に9回にわたり、元理事の知人が代表のコンサル会社に送金したとされる。 公判では、検察側が賄賂だと指摘する約6900万円の支払いについて、角川元会長が部下の元専務や元室長から報告を受けていたかどうかが争点となっていた。 贈賄罪で有罪判決が確定した元専務は、角川元会長の公判に証人として出廷。元理事側への支払いについて、元会長に対し「成功報酬の支払いは法に触れる可能性があるので(元理事の知人会社への)コンサル費用として払うことを考えている」などと報告したと述べた。元会長は反対しなかったという。 これに対し弁護側は、スポンサー就任に向けた社内検討は元専務を中心に始まったとし、角川元会長は「(部下から)報告を受ける立場になかった」と無罪を主張していた。 角川元会長は22年9月に逮捕され、23年4月に保釈された。否認したことで勾留(身体拘束)が長期化し、身体的・精神的苦痛を受けたとして、国に2億2千万円の賠償を求めて24年6月、東京地裁に提訴。現在も審理が続いている。(野間あり葉) ■収賄側の2人、無罪主張で公判中 五つの贈賄ルートに及んだ五輪汚職事件では、贈賄側として12人が起訴され、うち11人の有罪が確定し、角川元会長の公判だけが続いていた。 贈賄側となった企業は、「KADOKAWA」のほか、紳士服大手「AOKI」、広告大手の「大広」と「ADKホールディングス」、大会マスコットのぬいぐるみを製造した「サン・アロー」。 AOKIとADKホールディングス、サン・アローの3社の役員や社員ら計11人は起訴内容を認め、有罪が確定。大広の元執行役員は起訴内容を否認し、最高裁まで争った末、昨年10月に有罪が確定した。 一方、収賄側は、大会のスポンサー選定などで便宜を図った見返りに計約2億円の賄賂を受け取ったとして、大会組織委員会の高橋元理事ら3人が起訴された。 うち1人は起訴内容を認めて有罪が確定したが、高橋元理事と、元理事の電通時代の後輩でコンサル会社「コモンズ2」元代表の深見和政被告(76)は「コンサル会社の業務による報酬を得ただけで、賄賂ではない」と無罪を主張。東京地裁で公判が続いている。(野間あり葉)

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