〝落とし物〟スマホを交番に届けた「恩人」 実は盗んだ張本人? 57歳男を逮捕 警視庁

盗んだスマートフォンを落とし物として交番に届け、持ち主から報労金をだまし取ったとして、警視庁深川署は5日、窃盗と詐欺の疑いで、東京都江東区南砂の無職、中井三義容疑者(57)を逮捕した。「落とし物を拾って交番に届けただけで、報労金を受け取るのは当然の権利だ」と容疑を否認している。 昨年10月、江東区の飲食店。50代の男性が水を取るためにスマホを置いて席を1分ほど離れると、スマホがなくなっていることに気付いた。男性のスマホは約1時間後、区内の交番に届けられ、届け出た人物は謝礼に当たる報労金を受け取りたいと申し出た。 男性が約1週間後に交番に届けられたスマホを受け取ると、「すぐに報労金が欲しい」とする男に会い、報労金として5千円を渡した。「落とさないようにスマホはかばんにしまった方がいいよ」。男は男性にそう「アドバイス」までして立ち去ったという。 一方で、男性は「恩人」であるはずの男に見覚えがあった。飲食店でスマホがなくなった際、店に頼んで防犯カメラ映像を確認すると、スマホを盗んで店を出ていく人物が写っており、「恩人」と酷似していると思ったからだ。男性は、金を渡した後、警察に連絡。深川署は防犯カメラ捜査などから、中井容疑者の関与を裏付けた。 中井容疑者の逮捕容疑は昨年10月、飲食店で男性のスマホを盗んで、交番に落とし物として届け出た上、男性に報労金を要求して現金5千円をだまし取ったとしている。 報労金は、遺失物法によって定められ、落とし物を届けた人が持ち主から落とし物の価値の5~20%にあたる謝礼を受け取ることができる。 深川署が確認したところ、中井容疑者は令和5年以降、都内の交番に60件以上落とし物を届け出ており、そのうち30件以上で報労金を要求。確認できるだけでも14人が報労金を支払っていたという。深川署は中井容疑者が報労金を目当てに窃盗を繰り返していたとみて、捜査を進める。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加