韓国政界が「非常戒厳」を巡り、極度の混乱に陥っている。12月3日夜に非常戒厳を出した尹錫悦(ユンソンニョル)大統領は、7日の弾劾(だんがい)決議採決は免れたものの、野党は12日に2回目の弾劾訴追案を提出し、14日の採決で可決される可能性が徐々に高まっている。尹氏は弾劾を免れても、内乱罪などの罪でまもなく拘束・起訴される可能性がある。与野党は、次の大統領選の時期をにらみ、熾烈な攻防を繰り広げることになる。韓国の政治空白は、東アジアの安全保障にも大きな影響を与えるかもしれない。(牧野愛博=朝日新聞外交専門記者)