泥酔した女性と「性的同意」はできるのか。職場で起きた地獄の体験

「事件当時抗拒不能であったという認識はなく、同意があったと思っていたため、犯罪の故意がありません」 大阪地検の元検事正で弁護士の北川健太郎被告が、部下である女性の検事に対する準強制性交の疑いで6月25日大阪高検に逮捕された事件について、12月10日に新たに就任したという中村和洋弁護士が会見、上記のように語りました。北川被告は2018年2月から2019年11月に大阪地検のトップ・検事正を務めた関西のエリートです。初公判で性暴力を行った罪状を認め、被害者に謝りたいと言ったその言葉を一転、否定したことになりました。 翌11日には、被害を受けたという女性検事が会見を開き、時に声を震わせながら「被告人は私をどこまで愚弄するのか。検察のトップにいた人が事件から6年もの間一度たりとも被害者の苦しみを想像せず、被害者としてとても悲しく、検事としてもとても情けないです。被告人がどのように主張しようが、真実はひとつです。司法の正義を信じます」と語りました。 では性的同意とは何なのでしょうか。性暴力の構造を考察する前編では、新入社員時に週刊誌の編集部にいた筆者の実体験をお伝えしました。上司の代理で、ある名のあるジャーナリストと打ち合わせをした際、お酒をどんどん注がれ、女性は寝てネタをとるものだと言われ、さらに彼の事務所に泊まるように布団を敷かれたのです。パワーバランスの中で、「NO」を言えない場所に性暴力は起こりやすいと感じます。 後編では、筆者の体験を知り、そして女性検事の会見を見たある女性からの辛い思い出の告白をお伝えします。 編集部注:本記事には、性被害に関する具体的な描写が含まれます。閲覧にはご注意ください。

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