訪日客紛れ特殊詐欺 台湾籍「受け子」「出し子」 県警逮捕 犯行後、出国狙ったか 短期滞在資格を悪用

●加賀の60代、300万円被害 加賀市内の60代男性が現金300万円をだまし取られた特殊詐欺事件で、石川県警が逮捕した台湾籍の男2人が、観光客らに付与される「短期滞在」の在留資格で来日していたことが1日、捜査関係者への取材で分かった。2人は滞在期間中に「受け子」と「出し子」を担ったとみられ、出国前に摘発された。県警は犯行後、短期間で帰国する「ヒットアンドアウェー」の手法とみて捜査を進めている。 ●日本語話せず 大聖寺署と県警特殊詐欺等対策プロジェクトチームは3月10日、加賀市の60代男性から現金100万円をだまし取ったとして、台湾籍の郭力銓(グォリーチュエン)容疑者(36)を詐欺と窃盗の疑いで再逮捕した。同24日には、同じ男性から現金150万円を詐取したとして、詐欺と窃盗の疑いで、台湾籍の陳俊臣(チンシュンシン)容疑者(35)を逮捕した。男性はこのほかにも50万円をだまし取られている。 捜査関係者によると、両容疑者は共謀関係にあるとみられ、短期滞在(90日間)の資格で入国していたという。事件で、郭容疑者は現金を引き出す「出し子」、陳容疑者は「出し子」とともに、被害者からキャッシュカードを回収する「受け子」を担っていたとみられる。県警は防犯カメラの解析などから2人を割り出し、身柄を確保した。2人とも日本語は話せないという。 ●摘発者の1割外国人 警察庁によると、全国で特殊詐欺の外国人の摘発人数は昨年1年間で236人(前年比106人増)に上り、摘発人数全体に占める割合は前年の5・7%から10・2%に増えた。 摘発した外国人のうち、「受け子」は135人(63人増)、「出し子」は46人(20人増)。国籍別では中国が85人(46人増)と最多で、ベトナムが55人(23人増)、マレーシアが37人(24人増)と続いた。台湾などビザが免除される国や地域から入国し、特殊詐欺に関わる外国人が摘発されるケースが全国で増えている。 闇バイトによる実行役の確保が難しくなる中、出国後は捜査が及びにくいことに詐欺組織が注目し勧誘している可能性がある。 外国人犯罪に詳しい東京都立大法学部の星周一郎教授(刑事法)は「日本は観光に訪れる外国人が多いため、紛れやすいと犯罪組織から思われやすい」と指摘。ヒットアンドアウェー型の犯行について、「今後も増える可能性は高い」と警戒を呼び掛けた。

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