「記者と警察官の関係を利用」 夜回り取材の女性にわいせつ、岡山県警警視に懲役2年実刑

いわゆる「夜回り」取材で自宅を訪れた女性記者にわいせつ行為をしたとして、不同意わいせつ罪に問われた岡山県警警視、和田弘男被告(59)=起訴休職中=の判決公判が9日、岡山地裁で開かれた。村川主和(きみかず)裁判長は「記者と、その取材対象である警察官という特殊な関係性を利用した犯行」と指摘。「酔いつぶれて抵抗が困難な被害者にわいせつ行為の限りを尽くし、同種事案の中でも悪質性が高い」として、懲役2年(求刑懲役3年)の実刑を言い渡した。弁護側は判決を不服として控訴した。 ■証言巡り真逆の判断 事件当時、暴力団の捜査を担当する県警組織犯罪対策1課の課長だった和田被告は、一貫して無罪を主張。2人きりの状況下で何が起きたのか、女性と被告の証言の信用性が最大の争点だった。 女性は第2回公判で行われた証人尋問で、被告から押さえつけられて体を触られたが、勧められた日本酒で泥酔していたため抵抗できなかったと証言した。 これに対し和田被告は被告人質問で、酔いつぶれた女性を介抱した後、疲れて隣で寝てしまったと供述。女性の方から抱きついてきて目が覚めたが、わいせつ行為はしていないと主張していた。 村川裁判長は判決理由で、女性が被害を受けた後、被害届を出すまでの経緯が相談を受けた親族や上司の証言と一致しており、信用性が高いと指摘。被害状況を含めた女性の証言全体も自然で信用できると結論付けた。また、女性が被害後に被告と連絡をとっていることは「勤務先に迷惑をかけないように重要な取材先である被告と良好な関係を築こうとしたもので、不自然ではない」とした。 これに対し、被告の供述は一貫性に欠け不合理で、女性の証言の信用性に疑問を生じさせるものではないと判断。被告が逮捕直前、友人らに女性から抱きつかれたと話していたことも、捜査が進んでいるのを察知したうえでの言動の可能性が否定できないとした。 ■女性側の「動機」存在せず 弁護側は、女性が虚偽の被害を訴える動機としていくつかの可能性を指摘していたが、判決はこれらについても退けた。

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