テネシー州、暗号資産ATMを全面禁止へ──詐欺対策でインディアナ州に続く2例目

米テネシー州は、州全域で暗号資産(仮想通貨)ATMの設置・運営を禁止する法律を成立させた。暗号資産ATMを全面的に禁止する州は、インディアナ州に続いて米国で2例目となる。詐欺被害の拡大を受け、暗号資産キオスクを巡る規制強化の動きが全米で広がっている。 テネシー州のBill Lee(ビル・リー)知事は4月13日、下院法案2505号に署名した。同法案は上下両院を全会一致で通過しており、提出者と4人の共同提出者はいずれも共和党議員だった。法律は7月1日に施行される。 今回の法律は、「暗号資産キオスク」と呼ばれる機器の設置や運営を禁じるものだ。これらは一般的にビットコインATM、または暗号資産ATMとして知られ、ガソリンスタンド、コンビニエンスストア、ショッピングモールなどに設置されることが多い。 規制対象となるのは、暗号資産ATMの運営会社だけではない。店舗や施設の所有者など、自らの敷地内にこうした機器を設置させる事業者も対象に含まれる。違反した場合はクラスAの軽犯罪に問われる可能性があり、最大で1年の禁錮刑と2500ドル(約40万円、1ドル=155円換算)の罰金が科される可能性がある。 米国では、すでに多くの州が暗号資産ATMを詐欺に利用されにくくするための規則を導入している。ただし、州全域での全面禁止に踏み切った例はまだ少ない。記事によれば、先月インディアナ州が全米で初めて全面禁止を成立させ、今回のテネシー州がそれに続いた形だ。 暗号資産ATMそのものが詐欺的な機械というわけではない。基本的には、現金を使って暗号資産を売買したり、外部のウォレットアドレスへ資金を送ったりするための販売端末として機能する。しかし、ここ数年、国際的な詐欺グループがこの仕組みを悪用し、多額の被害を発生させている。 典型的な手口の一つは、詐欺師が警察官や政府職員を装うものだ。被害者に対し、「逮捕される可能性がある」「(架空の)債務を支払う必要がある」などと伝え、現金を引き出すよう指示する。その後、被害者に暗号資産ATMで現金を暗号資産へ交換させ、指定したウォレットに送金させる。 この手口では、被害者が自ら操作して送金してしまうため、資金の追跡や回収が難しくなる。さらに、暗号資産の送金は一度実行されると取り消しが困難な場合が多く、詐欺グループにとって利用しやすい手段となっている。 |文・編集:Shoko Galaviz|画像:Shutterstock

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