岡田将生“真”、死んだ息子の復讐を企てる容疑者を前に逮捕せず、「やるなら、どうぞ」<田鎖ブラザーズ>

金曜ドラマ「田鎖ブラザーズ」(毎週金曜夜10:00-10:54、TBS系)の第2話が4月24日に放送された。“ひき逃げ”で解決したかと思われた事件が、実は息子を死に追いやった人物への復讐だった可能性が浮上。逃亡を続ける容疑者の不可解な行動に、真(岡田将生)たちは混乱する。そして、捜査をする中で、実は復讐はまだ終わっていないことが 判明。容疑者と同じく“家族を殺された者”である真の想いが描かれた。(以下、内容のネタバレを含みます) ■時効になった両親殺害事件の真犯人を追うクライムサスペンス 本作は、時効が成立してしまった31年前の両親殺害事件の犯人を探すために警察官になった兄弟が、日々起こる凶悪事件事件と立ち向かいながら両親の事件の真相を追っていく、完全オリジナルのクライムサスペンスである。 ■犯行動機が“復讐”の容疑者を、真は逮捕できるのか? 大河内淳(紘史郎)の死亡事件は、ひき逃げだと思われていたが、実は容疑者・野上昌也(近藤公園)が故意に殺した可能性が浮上した。 大河内は、2年前に亡くなった野上の長男・大樹(本多陽登)の高校の水泳部のコーチだったことが発覚。大河内の厳しすぎる指導を苦にした自殺では?と当時ネットで騒がれており、息子を死に追いやった大河内への野上の復讐だったのではないか、と真は考えた。だが、任意同行だった野上はいったん釈放された後…。そのまま野上は行方をくらませてしまったのだった。 野上を探すことになった真に、稔(染谷将太)は「野上の動機は“復讐”だ。真に逮捕できるのか?」と問いかけた。警察官としての正義と遺族の憎しみで揺れた真は、すぐに答えることができなかった。 ■不可解な野上の行動 野上の足取りを追う中、彼が喫茶店に居たことが判明。野上は午前中ずっと窓際の席に座っていたとのこと。その後、県内のショッピングモールでスーツを購入。復讐も遂げ、追われていることはわかっているはずなのに、遠くに逃げもせず、長々とお茶をし、履歴が残るクレジットカードでスーツを購入…野上の行動は不可解すぎる。 手がかりを求めて、大樹が亡くなった河川敷を訪れた真と詩織(中条あやみ)、稔は、河原で佇む大樹の弟・光樹(吉田奏佑)を発見した。光樹は、兄の試合の前に父と3人でここへやって来て、手作りのお守りを2人に渡したのだ、と話し始めた。大樹は張り切っていたが、試合当日、大樹は途中で泳ぐのをやめ、その後、練習もリハビリもしないまま結局亡くなってしまった…。「兄ちゃんは弱かった」と悲しそうに言う光樹に、稔は「全部、兄貴のせいか?」と尋ねたが、光樹は無言で去っていった。 そんな中、野上がタクシーでホテルに向かったことが判明。だが、宿泊はしておらず、野上の行動はさらに真たちを混乱させた。 ■大樹を死に追いやった人物 真たちの幼なじみの情報屋・晴子(井川遥)の協力で、大樹の水泳部仲間から当時の話を聞くことができた。大樹は、オリンピックを目指し、強豪校である高校にスポーツ推薦で入学。だが、大河内は大樹を休ませず、そのせいで大樹は肩が悪化して試合で泳げなくなり、顧問の知念麻衣子に水泳部をやめさせられたのだ、と彼は語った。知念は結果が出ない者は徹底的に排除する人物で、大河内の厳しい指導も全て知念の指示だった、とのこと。そして。現在は予備校の講師で、近々結婚するらしい。 その話を聞いた真は、喫茶店で野上が座っていた席の窓の向かい側に予備校があったことを思い出し、そして、野上が訪れたホテルで知念の結婚式が行われることを突き止めた。野上の復讐は終わっていなかった。 ■第2の復讐を企てる野上 ホテルのロビーでナイフを隠し持ったスーツ姿の野上を見つけた真は、「幸せの絶頂を狙うのは、復讐としては上出来」と声をかけた。野上は、大樹のスマホに自分宛ての未送信の「大河内のせいで泳げなくなってしまった。悔しい」というメッセージが残っていたことを知り、息子の苦悩に気付いてやれなかったことを激しく後悔した、と話し始めた。葬儀にも来ず、“牧村”と名前を替えて過去を捨て、大樹のことなど忘れたかのように生きている大河内を許せなかったのだ、と。 自転車の大河内に車をぶつけ、大樹の父だと名乗ると、大河内は「オレじゃない。顧問の知念のせいだ」と言って逃げてしまった。初めて聞いた“知念”について詳しく聞こうと大河内の元を訪れた野上は、彼が死んだことを知った。それから自力で知念のことを調べ、今日が結婚式だと知り、復讐をしにやって来たのだった。 ■「殺(や)るならどうぞ」 野上が話し終わると、真は「殺(や)るならどうぞ」と告げた。驚く野上に「ここで止めても、どうせいつかやるでしょ」と言い、もうすぐ警察が来る、と伝えて野上に何かを握らせ、「これで、終わらせてください」と言った。真は、“刑事”である前に、やはり“家族を殺された遺族”だった。復讐を後押しするなど、特に刑事としてはあってはならないことだが、野上に自分の姿を重ねた彼は、“遺族の正義”を尊重したのだろうか。 覚悟を決めた野上は、新郎と共に親族に囲まれながら招待客に挨拶する知念に向かって歩き出した。だが、彼女の前まで来た時、「大樹、ごめん…」と言って、拳を広げ、真が握らせた物を見つめた。それは、試合の前日に光樹が自分にもくれたおまもりだった。野上の息子は大樹だけではない。今後、“殺人を犯した父”の息子として生きていくことになる光樹も居るのだ。「これ以上は、もう」…野上には、これ以上罪を犯すことはできなかった。 野上が知念に「あなたには、これから幸せな未来が待っている。でも、あの子には明日もありません。どうか大樹を…」と告げる中、駆けつけた警官たちに彼は取り押さえられた。連行されながらも野上は、「野上大樹を!絶対に忘れるなーっ!!」と叫び続けた…。その様子を、真はやりきれない表情で見つめていた。 知念はアップもセリフも無く、野上の訴えを、どんな表情で聞いていたのかはわからなかった。そもそも、知念が実際にどんな人物だったのかもわからない。私たちが知る彼女の情報は、部活仲間と大河内の言葉からだけだ。なぜ顧問をやめて予備校講師になったのかも、他の生徒の証言も触れられていない。野上も、この数日で彼女についてどれだけ調べられたのか。伝聞による憶測で、彼女に殺意を向けた可能性も大いにある…。 ■「目の前で犯人が笑っていたら、どうする?」 1人で勝手な行動をした真を責めた捜査一課の日向(池下重大)に、彼は「アンタなら耐えられるんですか?」と食ってかかった。その言葉の意味を尋ねた詩織に、真は「自分の身内を殺した犯人が目の前に居たらどうする?償いもせず、そいつが笑ってたら?」と尋ね返した。「もちろん逮捕する。それが仕事だ」と答えた詩織に、真は「それで何が終わる?」と言って、1人で式場を後にした。 ■優しい“憶測” 署に戻ると、光樹が父に会いたくて待っていた。だが、野上は県警に連行されていた。真は、ひとまず彼を署内に連れていき、父は光樹の為に知念への復讐をやめたのだと伝えた。そこへ、稔が大樹の資料を持ってやって来た。 稔は、保管されていた大樹の血液から炎症を抑える薬の成分が検出され、死の数日以内に肩の治療をしていたことがわかった、と告げた。そして、亡くなった翌日も病院の予約が入っており、医師によれば、厳しいリハビリに耐えながら「もう1度泳ぎたい」と言っていたとのことだった。そして稔は、光樹に「オマエが思うほど、兄貴は弱くなかった」と告げ、「憶測だけどな」と言って立ち去った。 常日頃、「憶測では言わない」と語っている稔が口にした“憶測”。それは、稔の優しさだ。そんな稔を微笑みながら見送った後、真は光樹に「それでも、真実は誰にもわからない」と言った。そして、「親父の愛か、兄貴の強さか…。オマエが生きやすい方を選べ。それが“真実”だ」と告げるのだった。 無念の事故だったのか、突発的な自殺だったのかは、今となってはもう聞くことができない。確かなことは「大樹が死んだ」という事実だけだ。もしかしたら、野上はしなくてもよかった復讐をして、人生を狂わせてしまったのかもしれない。それでも、彼は「悔しい」という息子の想いを大河内と知念に突き付けられたことで、後悔は無いのかもしれない。これも憶測だ。残された者は、自分の苦しみを減らす為に、ある意味都合よく考えて生きていくしかないのだ。 ■“あの男”が見つかった。だが… その2日後、両親の事件の時効が成立した同じ日に、田鎖兄弟が31年間追っていた「夜にまた来る」と父に言った男・津田雄二(飯尾和樹)が見つかった。だが、津田はすい臓がんステージ4で敗血症性ショックを引き起こして昏睡状態だった。やっと見つけたのに、話を聞くことができない…。2人とって、この状況はつらすぎる。 ◆文=鳥居美保

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