全国的にも波紋を広げた現職市議の逮捕から14日で1週間です。 熊本地震からの「復興の象徴」ともいえる八代市役所新庁舎に関する疑惑は、以前から浮上していました。 庁舎建設工事の落札から完成までの経緯についてこれまでの取材をもとに整理します。 まずは落札までの流れです。 業者の選定について当初は入札の金額だけで落札業者を決めるように進められていました。 TKUが入手した八代市の内部文書によりますと、入札には大手ゼネコンの参加も有力視されていました。 このような中、東京に本社がある前田建設工業は園川容疑者から『有力な議員』として紹介された成松容疑者を通して、金額以外の内容も含めて判断する『総合評価方式』を導入するよう要望。さらに、その評価基準も自社に有利なものにするよう成松容疑者を通じて依頼したとみられています。 この結果、入札は1者のみとなり前田建設工業などの企業体が工事を落札しました。 一方で、落札から2カ月後の2019年11月、前田建設工業は「利益が足りず入札を辞退する予定だった」と市側に説明しています。 では、なぜ入札したのか。入札の前に成松容疑者から「不足分は契約後に何とかするので、応札してほしい」と要望があったということです。 そういうやりとりを経て約11億円の利益確保を市側に求めたとみられています。 このやり取りで成松容疑者が利益の確保を求めたことについて市の職員らが話し合っている音声データをTKUが独自に入手しました。 【音声】 「なんで成松さんは前田建設工業にこだわったのか。これが分からない。なんでそこまでこだわって」 こちらは工事を前田建設工業側が落札した後の2020年1月、八代市の幹部職員と関係者との協議とみられる音声です。 【音声】 「前田建設工業の部長を3日間監禁して、部屋に閉じ込めて『うん』と言わせた」「成松さんの事務所に監禁された」「犯罪じゃないか…」 「そこで『うん』と…」「『うん』というのは応札すること?」「そうそう」 「『その時に(利益上乗せ)10パーセント何とかしてやるから入札しろ』と」 「なんでそこまで…権限はないのに前田建設工業にこだわったのか」 「前田建設工業しか入れられないようなレールが敷かれていたので『ここまで敷かせといて裏切るつもりか』と言われたんだと思う」 この時すでに、成松容疑者と前田建設工業の関係性について市の内部では疑念が生じていたのがうかがえます。 前田建設工業は利益確保の見返りとして下請け業者から調達するなどした6000万円を成松容疑者らに元市議・松浦容疑者の自宅で渡したとみられています。 また、熊本県に提出された『工事経歴書』によると、園川容疑者が役員を務める『園川組』は、八代市庁舎の本体工事などで前田建設工業の下請けとして合わせて約5億8000万円を計上しています。 警察は、前田建設工業から成松容疑者らに渡った金の流れなどについて詳しく調べています。