見渡す限り広がる田んぼと畑。栃木県上三川(かみのかわ)町の、のどかな田園に“叫び声”がこだましたのは、5月14日のことだ。 「会社役員の男性宅に、目出し帽をかぶり、バールを持った複数の人物が押し入り、男性の妻である富山英子さんが殺害されました。殴られたり刺されたりした傷が20カ所以上確認されるなど、強い殺意があったことがわかっています。 さらに、騒ぎを聞きつけて男性とその長男、次男がかけつけましたが、こちらも右腕や頭部を負傷しています。金品をあさった形跡もあり、強盗殺人事件として捜査が進められています」(社会部記者) 事件から約30分後、現場に向かっていた警察官は顔を隠しながら移動する不審者を発見。職務質問し、事件の容疑者として逮捕した。16歳の神奈川県相模原市に住む自称高校生で、「同級生の仲間に誘われた」「仲間は車で逃げた」などと供述しているという。 「さらに、県警は15日と16日、新たに少年2人を強盗殺人の容疑で相模原市内で逮捕しました。ほかにも実行犯が逃走を続けていると発表されています。県警はいわゆる『トクリュウ』が関与している可能性があるとみて、捜査を続けています」(同前) なぜ相模原市の高校生が、栃木県で凶行に及んだのか。以前から、富山さんの周辺では不審者情報が出ていたという。 「4月から5月にかけ、不審者の目撃情報が相次いでいたそうです。回覧板で地域住民に注意喚起がなされ、県警もパトロールをするなど、警戒していました。事件当日には、目出し帽をかぶった男が、近隣住民の男性に対して『がんばってきます』と話していたこともわかっています。いずれにせよ、かなり大胆な犯行であるのは間違いありません。富山さん宅は高い塀に囲まれていますが、一部の塀には不自然な足跡が残されており、塀を上って侵入した可能性が高そうです」(同前) 富山さん一家は、地元で“富豪”として知られていたという。地域住民はこう語る。 「もともとは、ゴボウの栽培で財を成したと聞いています。その後、イチゴの栽培に転換し、こちらもうまくいっていました。敷地内には母屋以外に複数の建物があり、ベトナム人の技能実習生が何人も働いていました。卸業のようなこともしていて、多額の現金を扱うこともあったみたいです」 事件を受け、地域全体が恐れおののいている。 「人通りがあるような場所でもないので、黒づくめの人がいたらかなり目立つはずです。犯罪なんて無縁で、平気で鍵もかけずにいる家も多い場所でしたが、事件後はみんな、戸締りをしっかりしています」(別の近隣住民) 真相解明が待たれる。