栃木県上三川(かみのかわ)町の強盗殺人事件で、通信アプリで指示を出すなど事件を主導した疑いが強まったとして、県警下野署捜査本部は、強盗殺人容疑で40代の男性の逮捕状を26日に取った。捜査関係者への取材で27日判明した。男性は事件後に中国に出国し、東南アジアに逃亡した可能性があるという。警察は海外当局と連携して捜査する。 事件は14日朝、上三川町の会社役員の男性宅で発生。男性の妻の富山英子さん(69)が胸を刺されるなどして殺害されたほか、男性からの連絡で駆けつけた40代の長男と30代の次男も殴られて負傷した。飼い犬も殺された。 捜査本部は14~17日、実行役とみられる神奈川県の男子高校生4人と、現場指示役とみられる横浜市港北区の無職、竹前海斗容疑者(28)と妻の美結容疑者(25)を強盗殺人容疑で逮捕。匿名・流動型犯罪グループ(トクリュウ=匿流)が関与しているとみて、竹前容疑者より上位の指示役を捜査していた。 捜査関係者によると、逮捕状を取った40代の男性は、秘匿性の高い通信アプリを使って竹前容疑者と連絡を取り、指示を出していた疑いがあるという。事件の関係者のスマートフォンの解析などから、男性の関与が浮上した。 栃木の事件については、この男性が主導したとみられる。男性は事件の数日後、中国に出国し、その後に東南アジアに向かった可能性があるという。 捜査本部によると、事件の被害者宅付近では4月中旬以降、不審な車やバイクが相次いで目撃されていた。事件の1週間前には、盗難ナンバープレートを付けた車両に乗っていたとして茨城県の男性(41)が盗品等保管容疑で逮捕された。 茨城県の男性は闇バイトに応募し、被害者宅の下見をしていたとみられる。強盗殺人容疑で逮捕された高校生4人や、現場指示役とされる竹前容疑者夫婦との接点は確認されておらず、別のグループの可能性があるという。警察は、強盗殺人容疑で新たに逮捕状を取った男性との関係を調べるなど、全容解明を進めている。【藤田祐子】