「娘も高校3年生という年頃な子ですので、どうか皆さま、温かく見守っていただければ幸いです」 5月26日に開いた記者会見で、謝罪した後にこう呼びかけたのは巨人・阿部慎之助前監督(47)。交流戦開幕を目前に控えた25日夜、長女(18)に暴力を振るったとして現行犯逮捕された。 「阿部前監督は姉妹喧嘩の仲裁に入った際、長女に言い返されたことから、胸ぐらを掴んで押し倒すなどしたとされています。当時は飲酒していたとみられ、妻と次女が事件を目撃していたといいます。長女は父とのトラブルを『ChatGPT』に相談し、回答に従って児童相談所に通報。通報を受けた児童相談所が110番通報し、自宅を訪れた警察が現行犯逮捕しました」(全国紙社会部記者) 逮捕後すぐに釈放されたものの、事件の責任をとって球団に辞任を申し入れた阿部前監督。いっぽう謝罪会見では長女による手紙が代読され、長女にとって児童相談所を経由して警察に通報されたのは想定外だったことが記されていた。 AIに相談したことをきっかけに逮捕まで発展した事件はあまり類例がなく、逮捕されたのも著名人であることから大きな関心が集まることに。一部SNSやネットでは“親子喧嘩で逮捕は行き過ぎ”という論調も広がり、オンライン署名サイト「Change.org」では辞任撤回を求めて13万筆を超える署名が集まっていた。 著名人たちも次々と自らの考えを表明するなか、“ある政治家”も今回の騒動について持論を述べている(以下、《》内はすべて原文ママ)。 《家庭内のことで、親が子どもを注意したり指導するのは当然である。しかし暴力はあってはいけない。その線引きは難しく当事者の判断となる》 26日に更新したブログでこうつづったのは、自民党の鈴木宗男参院議員(78)。阿部前監督について《愛情を持ってのことだったと私なりに推測する》とし、《いかに子どもと言えども受け止めによって愛情、親切が仇になってしまうこともある》と言及した。 そんな鈴木氏は、阿部前監督の長女が「ChatGPT」に相談したことに違和感を抱いたようだ。 《お母さんがそばに居たのだからAIよりもなぜ身近な人に相談しなかったのか。ゲーム感覚的に機械に頼るこの流れになんとも空々しい思いにかられた》とコメントし、自身の長男、次男に対する育児経験を述懐。その上で《阿部前監督の娘さんにお尋ねしたい》と切り出し、こう疑問をつづっていた。 《監督の立場も、これまでのお父さんの栄光の足跡も、ChatGPTで消えてしまった。文明の利器よりも、お母さんになぜ相談しなかったのか。親子の「絆」「情」を18歳ならば考えて良かったのではないかと今の時代を象徴するような出来事に唖然とするものである》 翌27日のブログでも、阿部前監督の逮捕騒動を取り上げた鈴木氏。謝罪会見で読み上げられた長女の手紙には“父とはすでに仲直りした”と記されていたことから、《ならば逮捕する必要性があったのか、ふと疑問に思う》と警察の判断に言及。 阿部前監督の長女に対しても《何故ChatGPTの言う通りにしてしまったのか。18歳と言えば選挙権があり大人である》と改めて指摘し、《これだけ大きく取り上げられてしまった以上、娘さんも戸惑っているのではないか。今の心境を国民に知らせた方がいいと思うのだが》と懸念を寄せていた。 続く文章では《あわせて警察の行動も指摘されるべきだ》と主張し、《何の為に逮捕したのかきちんとした説明がない。事実関係を把握し、逃亡の恐れのない人を、しかも凶悪事件ではない人を逮捕している》と問題点を列挙。《警察の対応は過剰な反応ではと受け止める次第だ》と批判し、こう投げかけていた。 《いずれにせよ機械に頼り、人間関係をないがしろにした出来事である。警察になんと言ったか、児童相談所も説明責任があるのではないか。諸々事実関係をはっきりさせなくてはならないと考える》 読者から寄せられたコメントにも、《逮捕するほどのことではなかったと思います。ChatGPTを使っての娘さんの神経が理解できません》《AIになぜ頼ったのか。お母さんはどうしていたのか。色々考えさせられます》などとマメに返信していた鈴木氏。 事件に関して、明らかになっていない点を問い質していく意向も示していたが――。いっぽう、こども家庭庁・黄川田仁志担当相(55)は29日午前に開いた記者会見で、「親御さんとの関係に悩みを抱えている場合には、ちゅうちょなく児童相談所にご相談いただきたい」と呼びかけていた。果たして、鈴木氏はどのような形で問題追及していくのだろうか。