[社説]浦添市の個人情報管理 ずさんな扱い猛省せよ

浦添市は、全市民11万5526人分の氏名や生年月日、住所など個人情報が入ったノートパソコンが一時所在不明になったとし、松本哲治市長らが謝罪した。 全市民というのも衝撃的だが、なくなったパソコンが計83台に上っていたことにあぜんとする。浮かび上がるのは、管理体制のずさんさである。 市の説明はこうだ。 全庁的にパソコンの入れ替え作業が行われる中、2025年10月以降、盗難に遭った。 保管する未使用機に抜き取られた形跡があったことから確認を進め、翌26年3月に発覚。この時点で60台がなくなっていた。 4月に職員のパソコン操作などをサポートする委託会社の社員が、窃盗の疑いで逮捕された。 未使用機以外にも盗難の疑いがあり、調査を実施したところ、所在不明のパソコンはトータルで83台となった。 市は委託会社社員が逮捕された直後の発表で「パソコン内に市民の個人情報はない」としていた。 それが一転、5月29日の記者会見では「個人情報流出の恐れ」もあるとし、市民に対し不審な電話や訪問などに十分注意するよう呼びかけた。 窃盗は許しがたい犯罪だ。 一方で数カ月もの間、被害に気付かなかったこと、その遅れが被害の拡大につながったことは、市の管理体制に重大な問題があったと言わざるを得ない。 ■ ■ 83台のうち3台に市民の個人情報が含まれていた。 1台は市民課のパソコンで全市民の氏名のほか、本籍や続柄、在留カード番号など23項目のデータが記録されている。残り2台は給付金室のもので、定額減税補足給付金申請者の氏名や電話番号、口座番号などの情報が含まれている。 3台を含む47台は警察を通じ回収され、現時点で被害は確認されていない。市は情報にアクセスした形跡がないか、専門会社に解析を依頼しているという。 とはいえ行政機関が持つ個人情報は病歴や所得、成績など多様で、流出すれば深刻な影響を及ぼす。犯罪に悪用される恐れもある。 実際に漏えいデータが名簿業者に売られ特殊詐欺事件に使われたり、情報から高齢女性が狙われたというケースもある。 今回の問題で、個人情報の扱いに不安を感じている市民も多いに違いない。 ■ ■ 浦添市では2月にも市立中学で約9100人分の個人情報を紛失する不祥事があったばかりだ。 新市民体育館の工事を巡り、市のミスで約12億円の負担が生じた問題もある。 組織に「緩み」が広がっているのではないか。 パソコン盗難を受け、市は保有する機器の台帳整備、返却する際の個人情報の削除徹底、委託社員への教育など再発防止策を講じたとする。 生活に身近なサービスを提供する行政の重みを自覚し、猛省の上、再発防止策を徹底してもらいたい。

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